赤岳鉱泉は赤岳、横岳、硫黄岳の3つの山に登るための基地として利用される人気の山小屋です。山小屋に宿泊もできますし、テント泊もできます。標高2,215mで、ステーキが食べられたり、お風呂(鉱泉)に入れたりします。
今回は八ヶ岳連峰の中のひとつ、硫黄岳に登りました。行ったのは2021年10月末です。既に雪が降っていました。そして硫黄岳は吹雪いており、何も見えませんでした(悲)。
ただ、赤岳鉱泉が記憶に残るとてもすてきな山小屋でしたので、楽しい山小屋ライフを送ることができました。人気の秘密や宿泊した感想を詳しく紹介していきたいと思います。
赤岳鉱泉の魅力とほんのちょっぴり残念なところ
赤岳鉱泉について泊まったお部屋やごはん、アルコール、電波事情などをご紹介します。
お部屋(個室)は広くて快適
私たちは個室にしました。これが、かなり広めの個室でした。思い出補正がかかっているかもしれませんが、8畳はありそう。木のぬくもりのあるお部屋で、どことなく洋風のロッジのような雰囲気です。
大きな窓からは外の景色を眺めることができます。中央には旅館のような大きな木のテーブルがひとつ。床はカーペットで冷たくありません。ストーブ、さらに電源(コンセント)がありました。

天井には、暖色系の温かなランプがひとつ。それに非常灯があります。夜、すべての灯りを消すと部屋の中から満天の星空が望めました!
個人的にはこれまで行った山小屋の中で最も居心地が良かったです。
ちなみに漫画「山と食欲と私」で鮎美ちゃんが泊まったお部屋と同じでした。
お風呂は鉱泉
鉱泉に入ることができます。一緒に行った温泉マイスターの友人によると、温泉とは少し異なるものらしいです。
お湯はなかなかの熱さ。水を入れて調節する必要があるのだそうです。ほんのり色のついたお湯で、かなり温まりました。
新型コロナ対策のため、人数制限がされており、最大4人まで入れます。今何人入っているかは外からは分かりません。様子を見て入ります。

もちろんタオルは自分で持っていく必要があります。桶や椅子はありますが、洗い場はありません。それでもこんな標高の高い場所でお湯ではなく、鉱泉に入れる贅沢さ。人気なのも分かります。
ごはんはステーキ
赤岳鉱泉はごはんも有名です。ごはんはステーキかすき焼きと聞いており、楽しみにしていました。そしてまさに噂のステーキでした。
ステーキは肉厚。タレか味塩でいただきますが、このタレがおいしいのです。野菜も一緒に焼きます。きのこ、たまねぎ、かぼちゃなどがありました。味噌汁は豚汁風で、ここにもたくさんの野菜とお肉が。
ステーキはちょっと脂身が多く、どっしり、こってり。しっかりお腹を空かせて夜ごはんに臨んだほうがいいです。

ごはんと味噌汁はおかわり自由。コロナ対策のためか、スタッフにお願いして新しい食器によそってもらいます。

朝ごはんの焼き魚も脂がのっておいしかったです。野菜や果物も新鮮でした。

6種類のカレーはないけど、カレーやもつ煮、ラーメンはある
6種類のカレーを楽しみにしていたのですが、今は新型コロナの影響で、軽食しかやっていないようです。楽しみにしていたので残念。軽食といってもカレー、もつ煮、ラーメンなどけっこうしっかり食べられます。

アルコールは豊富
アルコールは売っています。ビールとサワー、ワインまでありました。個人的に飲みたかったよなよなエールは売り切れ(今は扱ってないのかも)で、アサヒのみが置いてました。
お湯は100円
水筒を持っていけば、100円で入れてくれます。巨大な山専ボトルでも小さな水筒でもどちらでも100円。
本や漫画、雑誌が豊富
本来は談話室だった場所に、スタッフ私物の漫画や本がたくさんあります。

しかも結構新しい漫画も多そうです。アウトドア雑誌も2021年のものもあり、新しいものもそろっています。通常の山小屋だと本は置いてあるものの古いことが多いので、意外でした。部屋に持ち込み読みふけってしまいました。
電波は基本、通じない
ドコモ系とソフトバンク系勢でのぞみましたが、どちらも通じず。食堂近くでWi-Fiが最大60分間通じるのだそうです。つないでみたけどかなり切れます。せっかく赤岳鉱泉に来たのだから、電波がないと割り切って本を読んだりお酒を飲んですごす方が良さそうに思いました。
冬は水場がない
冬の赤岳鉱泉には水場がありません。おそらく凍結を防ぐためだと思うのですが、手が洗えるところはありませんでした。玄関に飲料水と書かれたタンクがあり、これが唯一の水場です。トイレに行ったあと、手が洗えない、歯磨きなどが気軽にできないのが残念でした。
そのほかの赤岳鉱泉の見どころ
とにかくかわいい。建物好きは一見の価値ありです。

色口。とってもかわいいのれんがかかっています。

服装・装備
今回の服装や装備です。天候は数日前に降った雪が残っていたものの1日目は晴れ、2日目はお昼すぎまで雪でした。
服装(10月末の服装)
- 下着
- Tシャツ・ベースレイヤー
- フリースなどのミドルレイヤー
- ダウン
- パンツ(長ズボン)
- レインウェア上下
- サポートタイツ
- 靴下
- 帽子
- 手袋
必要ならもっていく服
- ゲーター(スパッツ)
- 防水性のあるオーバーグローブ
- ネックウォーマー
- ニット帽
- 山用シャツ
装備
- 軽アイゼン
- ヘッドランプ
- 地図
- コンパス
- 熊鈴
- 救急セット
- インナーシーツ/シュラフカバー
- タオル/枕カバー
必要ならもっていく装備
- ストック/トレッキングポール
- 耳栓
- 水筒
- サコッシュ/ポーチ
- アタックザック(サブバック)
- モバイルバッテリー
- スタッフバック
- ウェットシート
- 除菌スプレー
- 携帯トイレ
- コップ、容器
服装・装備の個人的なおすすめと反省点
アイゼンを持っておらず、途中で登頂を断念した人もいました。アイゼンは借りられません。雪が降るか、残っている可能性があるならば、必ず持っていったほうがいいです。
保温のために、ミドルウェアと防風・防水性のあるアウターは必須。私はインナー+山シャツ+アウター(レインウェア)で登ってちょうどよかったですが、これにミドルウェアをプラスしても寒いと言っている人もいました。
手袋はインナーだけだと雪で濡れてしまって寒い思いをしました。防水性のある一体型のものか、オーバーグローブを持って行ったほうが安心です。また、私は普通の帽子で登りましたが、吹雪いていたら、耳を覆える帽子のほうが安心です。
水筒は本当にあってよかったと実感できました。飲み物が瞬時に冷たくなります。
赤岳鉱泉ならではのものとして、個室であっても結構声が響くので、寝つきが悪い人や音が気になる人は耳栓をもっていったほうがいいです。
また前述のとおり、冬は手を洗うところがないので、ウェットシートも必須です。歯みがきも水がタンクひとつしかなく、その場所で歯みがきはできませんので、コップなど何らかの容器もあったほうがいいです。
逆に使わなかったものに、アタックザックがあります。秋冬だとアタックザックのみで望むのは心もとないためです。荷物は置かせてもらえるので、荷物を置く専用の袋(スタッフバッグなど)をもっていったほうがよさそうと感じました。
まとめ
赤岳鉱泉はとてもかわいい、懐かしい気持ちになる山小屋でした。

さて、この後も冬期ダイヤであることに気づかず、最終バスに乗れなかったりといろいろ起こります。ですが赤岳鉱泉での山小屋ライフが印象深かったこともあって、大満足の旅でした。今回は赤岳鉱泉の魅力をご紹介しました。