登山で行動食としても重要なおやつ。私にとっては山に登る楽しみのひとつです。毎回選ぶときワクワクします。しかし私はチョコレートや饅頭などの甘いものが少し苦手です。
登山で行動食としておやつを食べるのには理由があります。この記事では、定番といわれるおやつ、持っていってもなぜかあまり食べないおやつ、行動食に向かないNGおやつ。そして甘いものがちょっと苦手な私がおすすめしたいおやつなど、山のおやつ事情をまるっと紹介します。
登山中に行動食でエネルギーを補う理由
登山では非常に高いカロリーを消費します。だから途中でカロリーを補充する必要があります。それがいわゆる行動食といわれるものです。
エネルギーに変える力が早いのは糖質です。脂肪は糖と一緒に燃焼されます。糖質が足りなくなると、今度は筋肉を構成するたんぱく質を分解してしまいます。
登山ではとくに糖質をしっかり摂取することが重要です。糖質は文字から甘いものをイメージしがちですが、おおざっぱにいうと、炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質です。多い食材ですと、お米、パン、麺などが該当します。
糖質は少しずつ摂取することが大切です。一気にとりすぎると血糖値が下がることがあります。そこで行動食を通じて、こまめにカロリーを摂取をすることが大切なのです。
たんぱく質の分解が間に合わなくなると、シャリバテという状態になって動けなくなることも
定番といわれるおやつ・行動食
そのような中、登山には定番といわれるおやつがあります。糖質やタンパク質を構成するアミノ酸や疲れをやわらげてくれるクエン酸など、栄養をすばやく補ってくれるため、行動食として適しています。以下のおやつが定番と言われています。
- チョコレート菓子
- ナッツ
- 柿の種
- ドライフルーツ
- シリアル・グラノーラ
- 梅干し
- 羊羹(ようかん)
- まんじゅう
- 飴
- 黒糖
- 餅
- スナック菓子
- 魚肉ソーセージ
- カロリーメイトなどのバランス栄養食
- ゼリー飲料
定番に苦手なおやつが多い
定番といわれていても、苦手なものがある人もいるのでは。実は私もあんこ全般が食べられません。羊羹がさまざまな本にいいと書いてあるんですが、残念。
さらにチョコレートもあまり好きではありません。チョコレート好きな人多いですよね。チョコレートの神様ごめんね…。
ナッツやグラノーラも好んで食べません。わがままだな。
世の中にはカロリー摂取を考えて、コンデンスミルクを行動食として食べる(舐める?)人もいます。私は自分が好きなものをおいしくいただきたいと考えています。
なぜかあまり食べないおやつ
過去に何度か持っていったのに、食べないまま終わったおやつがあります。
- ナッツ
- 高価なクッキー
- カロリーメイトなどのバランス栄養食
- ゼリー飲料
ナッツ持っていっても余らせてしまうんですよね。 自前でトレイルミックスつくってみたのですが、どうも食が進まず。
普段食べない奮発したクッキーも、今ひとつ平地で食べるほどおいしくなかったことがあって、食べずに持って返ることがありました。コーヒーに合うかなと思うんですが、なぜでしょう。
シリアルバーやカロリーメイトなどのバランス栄養食や、ゼリー飲料は、いざというときのためにと思って持っていってるのでまあいいんですが…。
私にとっておやつは、小学校のときの遠足の延長線上。許された金額の範囲で工夫して選ぶあの感覚です。食べることが義務ではなく、どこかにわくわくが残っていてほしいのです。
これ、同じような方いるのではないでしょうか。
行動食に向かないNGおやつ、OKおやつ
行動食には、栄養面以外にも、行動食に向かないNGおやつがあります。行動食選びの基準として、気を付けたいポイントを挙げていきます。
避けたほうが無難なNGおやつ
- 一度開けると食べきる必要があるもの
- 溶けるもの
- 腐りやすいもの
- 開けるのに苦戦するもの
- 重いもの
- 場所を取るもの
- 地面に食べかすがこぼれるもの
- 手が汚れるもの(都度ウェットティッシュを出すのが面倒)
行動食に向くおやつ
つまり、行動食に向くおやつはこの逆です。
- 個包装、チャックで閉じられる
- 溶けにくい
- 腐りにくい
- ナイフなどの道具がなくても開けられる
- 軽いもの
- 気圧で膨らみにくいもの(ポテトチップスとかは巨大になることも)
- きれいに食べやすいもの
- 手が汚れにくいもの
チョコレートや飴などは、冬場は問題なくても真夏はどろどろに溶けていたりしますので、季節によって、よい悪いがあると思います。
私がおすすめしたい山のおやつ
個人的に、最近落ち着いてきた私がおすすめしたい登山のおやつをご紹介します。
子ども向けの個包装になっているスナック菓子
おそらく子ども向けのためだと思うのですが、個包装になっていて5連パックになっているようなお菓子。これを私はよく買います。数種類買っておくと、次回に組み合わせられます。私は「おっとっと」や「たまごボーロ」を持っていくことが多いです。
梅干し
個包装された梅しばや、チャック付きの干し梅を持っていきます。梅しばは種問題があるので、私は干し梅のほうが多いです。
カルパス・ジャーキー
私の山おやつの鉄板です。カルパスは個包装なので分けやすいのがグッド。要はおつまみが好きなんですね。
駄菓子
子ども向けの駄菓子コーナーに行ってみると、すごく小さいお菓子がいっぱい売ってあります。駄菓子詰め合わせという夢のような商品もありました。
異常に味の濃いお菓子
こいつ私の寿命を縮めようとしてる、と思うような味の濃いお菓子ありませんか。パウダー250%のハッピーターンとか。山で食べるとなぜかおいしいのです。
濃いシリーズの中でもお気に入りなのがこちら。
セブンイレブンで売っています。殺人的な味の濃さでたまりません。一度開けると取り返しがつきませんが、手を使わず食べることも可能です。標高高めの山に行くとポテトチップスの袋ほどではないですが、パンパンに膨らみます。
おにぎり
もはや主食ですが、なんだかんだおにぎりが一番いいと思うんです。いろんな味がありますし、飽きない。頂上で食べようと思っても、途中で食べちゃうこともあります。おにぎりは手作りだとよりおいしいですよね。
菓子パン
甘いものからしょっぱいものまでいろいろある、菓子パンもおやつの1個です。余ったら持って帰れるのもいいですね。
飲み物も大切
重要なのは、おやつと飲み物の相性を考えること。甘いお菓子にアミノ酸飲料は厳しいもの。おやつに適した飲み物をもっていくことも大切です。
頂上でしっかり楽しむときは、いろいろな飲み物を持っていきます。クッキーのときはノンカフェインの紅茶やコーヒー、おせんべいのときはほうじ茶、緑茶。インスタントの味噌汁をもっていくこともあります。おにぎりと合わせると最高。もはやおやつからかけ離れてますね。
最後にゴミを残さないよう後始末もしっかりと
通常、ジップロックに入れて持ち歩きます。ジップロックを二重にして、内側をプラスチックなどの小さなごみ入れに、外側におかしを入れます。中身が見えるので食べやすいですし、ゴミも入れられますので便利です。ニオイが出るおやつの時は、おむつを入れる防臭袋が本当に臭わないのでおすすめです。
私の登山でのおやつ事情をご紹介しました。
参考文献:「もっと登れる山の食料計画」(山と渓谷社)
夢があるおやつ
現実的なおやつ