山の衣服って高いですよね。下着といえど、タンクトップ、ブラジャー、パンツだけで1万円は軽く超えます。ただでさえ他の装備も高いのに、消耗品である下着を何枚もそろえるのは大変です。
そのため、ユニクロやしまむらなど、プチプラの下着を代用できないか試してきました。女性向けの山用の下着について、試してだめだったものとおすすめのブランドを紹介します。
ブラジャーとタンクトップ? それともブラトップ?
まず何を揃えるのか悩みがちなのが、カップ付きのインナー(ブラトップ)にするか、ブラジャーとインナーにするか。
インナーを着ずにブラジャー+Tシャツという人もいるかもしれません。
ただブラジャーの上から直接Tシャツを着ると、汗をかくと透けてしまったり張り付いてしまいます。できればブラジャーの上に一枚インナーを着るか、ブラトップを選ぶことをおすすめします。
どちらにするかは好みの問題です。個人的にはブラジャー+インナーをあわせています。その理由はインナーを季節に合わせて変えることがあるためです。たとえば冬など寒い時期には水蒸気により発熱するメリノウールを含む素材のインナーを使います。
ただ、コストを優先するなら個別に買うよりもブラトップのほうがお買い得だと思います。
OK素材・NG素材
続いて選ぶ素材です。ここはコットン(綿)を選ばないこと。基本的にはインナーやシャツの選び方と同じです。
OK素材 | NG素材 |
メリノウール ポリエステルなどの化学繊維 両方が混ざったタイプもあります | コットン |
ちなみにコットンを着て登山に行ったときの失敗談です。
モンベルとファイントラックがすごい! 愛用している下着
普段、愛用しているブランドを2つ紹介します。
モンベル
ブラジャーとパンツで実際に使っているのはモンベルのジオライン®シリーズ。コスパはいいほうだと思います。
凹凸のあるメッシュ状になっていて、肌に張り付くのを防いでくれます。
汗をかいてもすぐに乾くので、冷えを感じにくいです。ジオラインにもスポーツブラとソフトブラがあります。山に登るなら長時間動き続けるので、ホールド力の高いスポーツブラよりも、ソフトブラのほうがおすすめです。夜寝るときも、ソフトブラならつけたままでも窮屈に感じません。
ソフトブラのデメリットは形をきれいに見せてくれないこと。ホールド力が弱いためふわりと元の形状をなぞるのみです。トレランやランニングに使うには、揺れすぎて安定しないと思います。
モンベルのインナーはメリノウールを使っています。一年中使うことができます。普段着にもおすすめです。肌ざわりもよく、冬場でも急な冷えを感じにくくなっています。
スーパーメリノウール L.W. UネックTシャツ Women’s
ファイントラックのドライレイヤー®シリーズ
一番のお気に入りが、兵庫県にあるfinetrack(ファイントラック)社から発売されている、ドライレイヤー®シリーズ。山専用のインナーです。
メッシュ素材で、破れそうに薄い素材でできています。ポリエステルでできていますが、耐久撥水加工がされているため、汗を素早く逃がしながら肌に触れる部分をいつも乾いている状態に保ちます。だから冷えを感じにくいのです。実際に着てみたところ、表面がさらっとしていて肌から浮いているような不思議な感覚でした。速乾性の服を着ていても、風が吹いたときや休憩しているとき、体温を奪うため冷えを感じてしまいますが、これが一枚あるだけでなぜか寒くありません。本当にこれは試してほしい一枚です。
インナーはタンクトップのみと、ブラトップの2種類があります。ブラジャー、パンツもあります。モンベルに比べて薄く、メッシュ状の穴が大きい気がします。
こちらのパンツは薄く、モンベルに比べてホールド力がありません。ふわっと周りを包むような形状です。もしかしたら洗濯を繰り返すと破れてしまうかもしれません。その点が唯一の懸念点でしょうか。
何枚も気軽に買える値段ではないのですが、ここぞというときに1枚は持っていると安心です。どれを購入するか迷ったら、肌に触れている面積が大きいタンクトップから試してみることをおすすめします。種類は1年中着られるという意味で、ベーシックがいいと思います。ファイントラックが今のところ一番のおすすめです。
ミレーの網シャツもいいのですが、ファイントラックは汗の発散型であるのに対し、ミレーは吸水型。重くてかさばるのもありますが、耐久性としては発散型の方が高いのだそうです。
ファイントラックのこの軽さと薄さ、小ささはかなり驚くんじゃないかなと思います。
好日山荘など大きな山装備・道具のお店で売っています。以前よりも増えてきたと思います。色とサイズ、すべては揃っていないことがあります。店舗だと定価で売っていますが、ネットだと安いケースもあるので(涙)、このメーカーはインターネットで購入するのがいいかもしれません。
ユニクロやしまむらは登山で使える?
値段を見てしまったあと、そっと棚に戻しつつ、なんとかファストファッションで代用できないものか、と試みますよね。私もやりました。
ユニクロの下着は登山に使えるのか
まず最初に利用したのはスポーツ向けとうたっていた速乾性のあるブラトップタイプ。メッシュ素材で、ややホールド力が強い形状です(捨ててしまったので、写真がなくてすみません)。結果、乾きが追いつかなくて汗冷えしました。しっとりと体に張り付くような感じで、下り終わってから1時間経っても全然乾きませんでした。夏でしたが震えが止まらなかったことを覚えています。懲りずにエアリズムのタンクトップも試しましたが、これもまったく乾きませんでした。
怖くてもう使っていません。ユニクロは私には無理でした。やはり日常生活の中で利用するものなのだと思います。
進化してきているので、いずれは利用できるようになるかもしれませんが、ここ数年で利用したところだとまだまだ登山には厳しいなあという印象です。
しまむらの下着は使える?
しまむらなどで売っていたスポーツタイプのブラとショーツも買ったことがあります(写真右側)。こちらは締め付けが異様に強く、長く運動を続ける登山では着け続けることが無理でした。ランニングならいいのかもしれませんが、登山には向かないと思います。
ナイキ、アディダス、CW-Xなどのスポーツブラは?
ナイキやアディダス、ワコールのCW-Xなどのブランドは、ランニングなど動くスポーツを主目的にしているせいか、ホールド力がかなり高いことが多いように思います。
ポリエステルなどの化学繊維でつくられていますが、素材がつるっとしていることが多いので、速乾性やつけているときの張り付き、濡れはかなり感じやすかったです。
私が探しきれていないだけかもしれないのですが、個人的には山用としては合わないなという印象です。メッシュ状で、締め付けが強くないものがあれば、試してみてもいいかもしれません。ただ値段は比較的安いものもあります。
普通のブラ、ショーツはいけるのか
何回か普通のブラとショーツで登山に行ったことがあります。個人的な意見ですが、コットン素材でなければ、まあ利用できそうだと思います。ただ汗冷えはしますし、ワイヤーの締め付け感は気になります。もちろん綿のものは絶対にNGです。
履かないという選択肢
パンツについては、タイツのみで履かない人もいるようです。サポートタイツのCW-Xには「基本はショーツ着用をおすすめしています」、c3fitでは「タイツ着用時の下着はつけなくても構いません」とありました。
ノーパンは強いですね。サポートタイツを持っている方であれば、コスパ最強です。
しかし、頭では理解していても、変な想像をしてしまう自分がいます。そういう性癖なんじゃないかと疑われたり、脱がないといけないシーンに遭遇したらどうしようと、想像力が止まりません。
結論
個人的おすすめをまとめました。
メーカー | インナー | ブラ | パンツ |
モンベル | 〇 | 〇 | 〇 |
ファイントラック | ◎ | 〇 | 〇 |
ユニクロ | ✕ | △ | △ |
しまむら | ー | ✕ | ✕ |
CW-X | ー | ✕ | ✕ |
普通のブラ・パンツ | ー | △ | △ |
というわけで変に手を出して買い換えるよりも、おとなしく山用のものを探したほうがよさそうです。
ミニマムに抑えるならインナーだけ山用を、ブラとパンツは化学繊維の普段着のものを利用する形がいいのではないでしょうか。
薄い色のバージョンもあります。タンクトップ単体ではこちらの色を、ブラタンクトップは黒を持っています。ブラ、パンツは黒を愛用しています。