私が折りたたみ式ストック(トレッキングポール)を探し始めてから1年、あきらめかけた頃に出合ったのが、シナノ(SHINANO)の折りたたみ式ストック「フォールダー TWIST115」です。
なぜ一度あきらめたのかというと、折りたたみ式は長さの調節が可能な可動域が、折りたたみ式ではないテレスコーピング式に比べて狭いことが多いからです。特に海外メーカーでは、最短でも120cmなど、短くならないため日本人に向かない長さとなることがあります。
私の場合、身長が150cmと小さいため、最短にしても長すぎるという問題が発生しました。登山では下りのときストックを長めに、登りでは短めにします。このままでは下りでは使えそうだけど、登りでは無理という謎のストックになってしまいます。泣く泣くあきらめていました。
そんな中出合った「フォールダー TWIST」。長さ調節してみると、「あれ、ちょうどいい」。そんなはずはないと疑いましたが、どう見てもちょうどいいし可動域も広い。
もうこの出合いはないかもしれないと思い、購入に至りました。
というわけで、身長160cm以下でよい折りたたみ式ストックになかなか出合えない人は、「フォールダー TWIST」検討してみてもいいのではと思います。
「フォールダー TWIST」の長さは3種類ある
フォールダーTWISTの長さは3種類あります。110、115、125という数値が商品に入っていますが、これが最大のサイズとなります。下記が比較表となります。
商品名 | フォールダーTWIST 110 | フォールダーTWIST115 | フォールダーTWIST 125 |
カラー | ペイズリーPP | ブルー、ボルドー | ブラック、カモフラージュ |
使用サイズ | 95-110cm | 100-115cm | 110-125cm |
対応身長 | 約134-159cmの方向け | 約141-167cmの方向け | 約155-181cmの方向け |
収納サイズ | 36cm | 36cm | 37cm |
重量 | 約214g(1本) | 約228g(1本) | 約230g(1本) |
材質 | カーボン | カーボン | カーボン |
最大耐荷重 | 55.9kgf | 49.6kgf | 43.1kgf |
私が選んだのが「フォールダーTWIST115」。約141-167cmの方向けで、ばっちり対象範囲に入ります。長さは100-115cmと15cmの調節が可能。手を90度に折り曲げたとき150cmの身長の私の場合、96cmでした。100cm未満ですが、グリップ部分の長いので持ち手に応じて調節可能でまったく問題ありません。子ども向けやさらに小さいサイズを希望する場合は、フォールダーTWIST 110がよさそうです。フォールダーTWIST 125だったら、海外メーカーも選択肢に入れ、わざわざ選ばなくてもいいかと思います。
シナノのストック「フォールダーTWIST 115」レビュー
軽くて負担にならない
折りたたむと36cmになり、カーボン製で約228gとすごく軽いので負担になりません。ちょっと不安な登山のときにバッグに忍ばせていきます。
長さの調節がワンタッチで使いやすい
ポールの長さを調整する方法(アジャストシステム)には、スクリュー式、レバー式、ピンロック式があります。スクリュー式のほうがオーソドックスです。目盛を自分で確認するため、操作も簡単です。一方、レバー式はその場で素早く長さが変更しやすいというメリットがあります。ピンロック式は、ストッパーとなる突起に引っかけて固定するタイプで、折りたたみ式のタイプではこのピンロック式のみが多くあります。
フォールダーTWIST は、ピンロック式+レバー式のハイブリッドです。長さはレバーを使って調節します。グリップ部分が長いので、持つ位置を変えることでも調節ができます。
レバーはちょっと硬い
レバーはちょっと硬いです。途中で動いてしまうほうが怖いので、このくらいでいいのかもしれません。
グリップはやわらかく、摩擦が効いている
グリップは安物を使っていたときはプラスチック感が強く硬かったのですが、長時間握っていても痛くもならず、負担にもならず、豆もできたことはありません。心地よいと思います。汗をかいても滑りにくいつくりです。
ストラップは摩擦もなく、ストレスを感じない
安物を使っていたときはストラップが食い込むようなときがあったのですが、軽くてやわらかく、ストレスを感じないストラップです。
使わないときは収納袋にしまえる
ワンタッチで収納でき、使わないときは収納袋にしまって置けるので、電車の中で他人に迷惑をかけることもありません。
テレスコーピング式よりもしまいにくい
折りたたみ式の中ではデメリットは見当たらないのですが、折りたたみ式ではないテレスコーピング式に比べると、使いづらい点があります。
サッとしまいたい、というのがしにくいという点でしょうか。今だけ指しておいて、ちょっとしたらまた使いたいというときに組み立てなければなりませんでした。たいした手間ではないのですが、出して入れてが多い岩場だと、ちょっと気になるかもしれません。
お値段は安いとは言い切れない
またお値段も、¥19,500(税別)が希望小売価格のようですので、安いとはいえません。
それでも日本人に合うちょうどいい高さで、可動域が広くて調節も柔軟、使っていて負担にならず、むしろ使えば使うほど愛着の湧くシナノの「フォールダーTWIST」はおすすめです。
※参照 「トレッキングポールの超基本」