運動音痴、体力不足の私ですが、意識して鍛えている筋肉があります。登山でどうにかバテないために、できればベストな「登山に役立つ運動・スポーツ」、次に「家でもできる簡単なエクササイズ」、最後に「日常生活で取り入れたい工夫」の順に紹介します。
登山に役立つ運動・スポーツ
まずは登山にも役立つスポーツを紹介します。もし時間と心の余裕があるなら、体力づくりや筋力アップにも効果的。これらが日頃から取り入れられる、向上心の高いあなたはステキです。尊敬します。
ボルダリング
登山中には岩をよじ登る場面が出てきます。初心者が行く低山ではあまり使わない技術ですが、3点支持と言われる、4本の手足のうち3本で体を支える技術が上達しやすくなるでしょう。それにより、登れる山の範囲も広がるのではないでしょうか。
ボルダリングジム検索(セールあり)早歩き
早歩きは普通に道を少し早めに歩きます。普通に歩くよりも、歩く力がアップする初心者向きの方法です。あまりにもスピードを上げると筋を痛めてしまうことがあるので、ほどほどにしましょう。
ランニング
どこでも行うことができ、運動量や強度、時間を調節しやすいのが、メリットです。有酸素運動を行うにはとても効果的な方法です。
自転車
自転車も有酸素運動として適しています。さらに下半身の筋肉を鍛えるのにも有効です。ランニングに比べると、関節への負担が少なくてすみます。ジムにあるエアロバイクでも大丈夫です。
水泳
水の抵抗により全身の筋力強化も期待できる運動です。関節などへの負担が少ないため、リハビリにも使われます。
ノルディックウォーキング
専用のトレッキングポールを使い、手足をしっかり動かして歩くスポーツです。登山ではエネルギー消費をしないで済む歩き方を心掛けますが、ノルディックウォーキングはむしろ消費することを目的とした、有酸素運動です。酸素を取り込む力の向上が見込めます。
スラックライン
膝くらいの高さに張ったベルトの上を歩く綱渡りのようなスポーツです。単に平衡感覚を養うために、落ちても大丈夫なところで不安定な足場で歩くことで、体幹が鍛えられます。
ラジオ体操
実はかなりの全身運動で、有酸素運動になるラジオ体操。日常に取り入れるのがおすすめです。
ただこれらを日常的にやるなら、登山に行ったほうが早いという話で、それ以前に体力や筋力に不安があるから運動したいわけです。ラジオ体操はともかく、手軽に取り入れられないスポーツもあるでしょう。そこで普段から家でできる簡単なエクササイズもご紹介します。
家でできる登山にも役立つエクササイズ
私も実際にやっている家でもできるエクササイズです。登山では、膝を伸ばしたり曲げたりする、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を行きも帰りも使います。しかし、この部分が徐々に下りに疲れて効かなくなってきて、事故につながるわけです。そのため、股関節や太もも回りの筋肉をしっかり鍛えておくことが、大腿四頭筋の筋力の温存につながります。それらを意識したエクササイズです。
スクワット
部活などで慣れ親しんだスクワット。足を開いてお尻を落とし、また上げます。お尻と太ももに効くストレッチです。膝が足先よりも前に来ないように気を付けます。
ランジ
片膝を前に大きく踏み出し、背筋は真っ直ぐにして深く腰を下ろします。片膝ずつやります。
相撲の四股踏み
お相撲さんがやる足を大きく開き、片足ずつあげる動作です。ゆっくりやり、上まで来たら足を止めます。太ももの前側の筋肉を鍛えるとともに、柔軟性、バランスも養えます。
片膝上げ
壁に手を付き、片膝を胸のあたりまで上げます。左右交互に各10回5セットやります。息も上がり太もももきついです。ポイントは足首に力を入れず、膝下を脱力させること。こうすることで、登山に太ももの前側の筋肉が鍛えられます。
寝たままお尻上げ(ヒップリフト)
床に寝転び、お尻を限界まで上げてまた下ろす!を繰り返します。布団の中でも手軽にできますよ。お尻と太ももの裏側の筋肉を鍛えます。
ストレッチはこちらも参考に
日常生活で取り入れたい工夫
エクササイズすらもやる時間がないという人のために、日常生活ではさみこめる少しの工夫でできそうな運動を挙げてみました。これなら少し取り入れられるものもあるのではないでしょうか。
- 目的地のひと駅手前で降りて歩く
- リュックを背負って買い物に行き、重い荷物を背負うのに慣れる
- エレベーターやエスカレーターを使わず、階段を登る
- 雑巾がけをし、足腰を鍛える
- キッチンでつま先立ちをしながら食器を洗う
- 椅子に座ったら、床に足をつけずに上げたままキープ
- 湯船に浸かっている間、足を左右にバタバタと動かす
でももう登山の日程間近という場合、何かできることはあるのでしょうか。運動不足で登山に行くのはダメなのでしょうか。
運動不足でいきなり登山に行くのはダメ?
普段から運動をしておいたほうがいいのは、安全に山に登るためです。だから、運動はしないよりもしたほうがいいに決まっています。そんなことは分かっているのです。
でも時間がないときどうするか、私なら、自分の技術・体力でも行ける山、いざというときのエスケープルートがある、途中で引き返して下山できるルートがある、という山を選びます。
自分の技術・体力で行ける山の選び方
山のグレーディングといわれる体力と技術の難易度を参考に選びます。体力度のグレーディングは10段階、技術的難易度はA~Eの5段階があります。
初心者の方の場合、技術はBまで、体力は高くても3までを上限に考えてみるといいのではないかなと思います。各県でグレーディング表が出ていますので、そちらから山を選んでみるのはいかがでしょうか。
今よりも体力や技術が必要な山に登りたいなら、日常にスポーツを取り入れましょう。
体力以上に登山に影響するもの
体力や技術力は何よりも重要ですが、初心者なら鍛えること以上に重視したいのは体調と天候です。直前では焦らず体調を万全にすることを優先し、睡眠時間をしっかりとって、朝ご飯をしっかり食べて登ることが大切です。
天候も大切です。雨天時は普段以上に体力も消耗しますし、高い技術が必要になるためです。グレーディング表はあくまで天候がいいときの場合のものと捉えるべきです。私も失敗したからそう言えます。
犬の散歩くらいしか普段運動しません。エクササイズは週に何回か思い出したように時々やるくらいです。それでも自分の体力を把握し、登る山を選べばなんとか登頂できています。
参考文献「登山ボディのつくり方」