2025年8月、南アルプスの仙丈ケ岳の登山で中腹にある「馬の背ヒュッテ」に宿泊しました。今回は北沢峠から登って「馬の背ヒュッテ」に一泊し、翌日に仙丈ケ岳の三町を目指して下山する1泊2日のコースです。
宿泊を検討している方に向けて、アクセス方法から水場、電波状況、トイレや設備など事前に知っておきたい情報をまとめました。
馬の背ヒュッテの特徴
ログハウス風の温かみのある山小屋で、特にお酒が充実しています。
豊富なアルコールと利き酒セット:利き酒セットやグラスで飲めるクラフトビールがあります。おつまみもあるのでお酒好きにはたまらない場所です。
名物のジビエカレー:臭みがなく、大きな焼き優しの乗った鹿肉のジビエカレーが名物です。ごはんのおかわりも自由。
体力が不安な方でも安心:日帰りだと体力に不安がある方は、馬の背ヒュッテに泊まってから仙丈ケ岳を目指すのがおすすめです。
馬の背ヒュッテへのアクセス
今回は公共交通機関を利用しました。
茅野駅から南アルプスジオライナーで戸台パークへ、そこから南アルプスクイーンライン(林道バス)に乗り換えて北沢峠を目指します。ジオライナーの運行日は限られているため、事前に運行日を確認してから計画を立てておくのが安心です。
私は10時40分発のジオライナーで戸台パークへ行き、そのまま馬の背ヒュッテへ。翌日、仙丈ケ岳へ登って、最終便のジオライナーで帰宅しました。
ジオライナーは事前予約も可能
ジオライナーは事前に2025年6月から事前予約が可能になったようです(伊那市公式サイトより)。
私が行ったときはお盆中でしたが、ジオライナーの最終便は道路混雑はなく、定刻より早めに到着しました。もちろん定刻通りでないこともあるので参考情報です。自己責任で!
北沢峠はソフトバンク、au、ドコモいずれも電波が通じませんでした。
私がたどったルートの詳細は、YAMAPの日記に掲載しています。
馬の背ヒュッテ泊の仙丈ヶ岳 / tanukichiさんの仙丈ヶ岳・小仙丈ヶ岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
馬の背ヒュッテの宿泊料金
2025年8月時点の料金は以下の通りです。
- 平日もしくは連休ではない日曜日泊の場合:1泊2食付きで1万3,000円
- 土曜日、連休初日・最終日の前日泊:1万4,000円
最新の料金は馬の背ヒュッテ公式サイトで確認してください。
予約は基本的にWebで行い、料金もオンラインで事前に支払います。Web予約が難しい方はお電話でも相談できるようです。
食事の時間帯と内容
食事の時間帯
私が行った8月は夕食は5時と6時、朝食は5時のみでした。到着時間で夕食は決められるようで、遅かったため選べませんでした。出発がゆっくりの方も遅めの朝食時間は決まっています。人数が多く、2回、3回制の場合には、朝食は選べるかもしれません。
夕食・朝食の内容
夕食は鹿肉のジビエカレーとコンソメスープ、副菜に温かいほうじ茶。

おかみさんいわく、「ジビエが苦手な方にも一度食べてみてほしい」とのことで、確かにまったく臭みはありませんでした。しっかり野菜と一緒に煮込まれているためかもしれません。
ちなみに夕食にごはんのおかわりをお願いすると、1回目以上の量をよそっていただきました(笑)。少なめ希望の方は事前に伝えるとよさそうです。
朝食は、朝ごはんはおとも的なもので、やさしかったです。こちらもごはんのおかわりができます。

早朝出発の方は、事前(前日までに連絡必須)に依頼すれば、お弁当を用意してもらえるようです。
お昼のお弁当は相談している方がいましたが、断られていたので難しそうです。
水場、食べ物、飲み物
水場やお湯には困ることはありませんでした。特にお酒好きにはおすすめの山小屋です。
水場とお湯
山小屋の外に水場があります。手洗い用の洗剤も置いてありました。お湯は200円で販売しています。
アルコールなどの飲み物、お菓子やおつまみ
アルコールは豊富で、おかみの利き酒セットやクラフトビールが複数置いてありました。

クラフトビールを頼んだら、グラスもくれました。グラス付きなのは初めてです。

またコーヒーなどのお茶もありました。
お菓子は複数置いてあります。デザート類はありませんでしたが、きゃらぶきなどのおつまみはありました。
お土産
お土産にはバッチ、Tシャツ、手ぬぐい、保温カップ、かわいい小物入れなどがありました。手ぬぐいの色合いが可愛すぎて購入してしまいました。何個あるのかわからない手ぬぐいがまた増えました(笑)。
お部屋、更衣室、トイレなどの設備
お部屋は大部屋で、男女の区切りはありませんが、パーテーションが利用できます。毛布は1人2枚用意されており、寒い場合は追加で借りられます。インナーシーツが必須で必要です。

大部屋のすぐ外に、更衣室が1つあります。鍵もかけられるようになっていました。
乾燥室はありませんが、ストーブが置いてあり、ハンガーが置いてある乾燥スペースがありました。みなさんこちらに濡れたものを干していました。
馬の背ヒュッテの食堂は広く、2、30人くらい入るお部屋でした。

トイレは部屋の外にあります。夜間はヘッドライトが必要です。私が見た範囲では和式のみでした。紙は流さずバケツに捨てるタイプでした。

お風呂はありません。
電波はドコモだけ一部つながる
電波はドコモ△、au×、ソフトバンク×でした。
ドコモ系だけ食堂の一部でのみつながることがあるようですが、不安定です。ドコモであっても、部屋では通じませんでした。au、ソフトバンクは圏外でした。
ただ、auであれば山小屋Wi-Fiが使えます。他のキャリアでも費用を払えば使うことができます。
充電のサービスは見当たらなかったのですが、他の記事によると、充電は有料で受けていただけそうでした。
8月の服装、寒さは?
天気は晴れのち曇り、北沢峠で20度ちょっとくらいでした。馬の背ヒュッテでは朝、晩用にフリースかダウンが一枚あると安心そうです。友達はどちらも持っていませんでしたが、薄手の長袖で過ごせたそうです。
私はダウン、薄手の長そでを持っていき、登るときは半袖にアームカバー、稜線で長袖を羽織り、朝方だけダウンを1回着ました。毛布もあったので、寒くて眠れないようなことはありませんでした。
天候によっても異なるので、参考として記録しておきます。
馬の背ヒュッテを拠点にするなら、仙丈ケ岳

馬の背ヒュッテを拠点に登るなら、南アルプスの女王といわれる仙丈ケ岳がおすすめです。同じく日本百名さんの甲斐駒ヶ岳も近いものの、一度下ってから登る必要があるため、拠点には向かないかなと思います。
お風呂に入るなら、仙流荘の日帰り入力が便利
お風呂に入るなら、ジオライナーの出発よりも前の便に乗って戸台パークに行き、仙流荘の日帰り入力を利用するのが便利です。伊那市在住の方以外は800円で入れます。

内湯は大浴場、小さい内湯が2つ、小さい露天、水風呂、サウナまでありました。登山後のアイシングに水風呂があるのはありがたいです。地味にうれしかったのが、シャワーのお湯が、自動で止まるタイプではなかったことです。
食事もできるのですが、14時半がラストオーダーなので、ジオライナーに乗る方は早めに到着しないと難しそうです。

以上、馬の背ヒュッテの宿泊記録をご紹介しました。女性や体力が心配な方にもおすすめの優しい山小屋です。