2024年8月に北アルプスの双六小屋に泊まってきました。今回は初めて一人での山小屋泊です。もともとは友人と二人で泊まる予定でしたが、以前無理をさせてしまって、足の具合が思わしくなく…。
悩んだのですが、いくつかの理由から一人でも大丈夫と判断し、行ってみることにしました。
結果、とても満足度の高い山旅となりました。日帰り入浴で帰りに温泉に入れたのもよかったです。お盆の時期だったので交通機関選びには反省もあります。一人でも問題ないと思った点も、併せてご紹介できればと思います。
双六小屋の紹介
まずは双六小屋を簡単に紹介します。なのですが、双六小屋グループが動画を出していて、分かりやすいので、時間のある方はそちらを見てもらうといいと思います。私のは補足情報としてご覧ください。
外観
双六小屋の外観です。木造で新しく、よく手入れがされています。赤い屋根も魅力的です。
内観・部屋
入ってすぐの受付から談話室、洗面所です。写真には取っていないのですが、乾燥室も充実していました。
女子部屋で、おそらく私が当日泊まった日は全員ソロのようでした。
私は2泊3日の旅でしたが、同じお部屋にいたお姉さんは7日間歩くそう。テント泊も交えながらも35リットル程度のザックで、フランスパンを脇に差しており、かっこいいなあと思ってしまいました。
朝ごはん、夕ごはん、昼提供メニュー
昼提供メニュー
私は五目ラーメンをいただきました。
目を引いたのはあんかけ皿うどん。これは珍しいのではないでしょうか。
また双六小屋ではケーキがおすすめだそうなのですが、私が夕方見た時はもう全て売り切れでした。
食べたい方は早めに注文しないとなくなってしまうようです。
昼提供メニューは外のベンチで食べる方が多かったです。
夕ごはん
天ぷらが名物。天ぷらは抹茶塩かそうめんのつゆでいただきます。油ものに弱いのですが、ここの天ぷらはまったく胃もたれしませんでした。ものすごくおいしかったです。
朝ごはん
朝ごはんはやさしい和食が中心。飲み過ぎた人にもするりと食べられるごはんです。オクラがおいしかったです。ごはんと味噌汁はおかわり自由でした。
飲み物
洗面所の水を飲むことができます。みなさんこちらで汲んでいました。
売店で生ビールなども注文できるほか、入口にビールや缶チューハイ、ジュースが売っている自販機もありました。確か5、600円くらいだったと思います。
お湯も用意してあります。朝ごはんのアルファ米に利用している方もいました。
お部屋では飲食は禁止されていて、談話室で飲む必要があります。
トイレ
水洗のようでとにかくきれいです。ニオイもしません! 行くのが憂鬱なトイレもあったので、個人的にはテンションが上がりました。
数も十分で、ハイシーズンの朝でも待っている人はほとんどいませんでした。
洗面所がトイレの手前にあります。手を拭く紙ナプキンと紙コップまで用意されていました。え、いいの?と驚きましたが、さらにすぐ近くにゴミ箱が。紙ナプキンなどはこちらで捨てられます。ちょっと勿体ない気もしましたが…。
外に焼却炉があり、どうやらゴミを燃やしているらしく、それでこの神対応ができるようです。もちろん持ってきたゴミは持ち帰ることにはなりますが、スタッフがゴミを下ろすために運ばなくていいのは、なかなか画期的だなと思いました。
電波
珍しく、ソフトバンクが絶好調です。公式サイトによると、「ソフトバンク、場所によりNTTドコモが使えます。(発電時に限ります)」とのことでした。ちなみに私はソフトバンク系のY!mobileですが、こちらでも利用できました。ソフトバンク勢は山に弱いので、かなりレアでした。
発電時に限りますという記載の通り、朝方3時くらいに携帯電話を確認したときには、圏外となっていました。調べ物がある方は発電中に済ませておくとよさそうです。発電時間の記載は見つけられなかったのですが、体感的には起床時間から消灯時間まで、割と長く使えた印象です。
宿に張ってあった情報によれば、樅沢岳(もみさわだけ)、双六岳方面に10分ほど登った南側で各社つながりやすくなるそうです。
有償ですが、山小屋Wi-Fiを利用する手段もあります。2024年8月時点では、auユーザーは無償だそうです。ただし、UQ mobile等の格安SIMはau回線ですが、無償では利用できないので注意。設置していても使えない山小屋もあるようなので、事前にご確認ください。
2時間300円(税込)、24時間600円(税込)でご利用いただけます。ご利用にあたってはクレジットカード情報の入力が必要となります。
※auユーザーの方は無料でご利用いただけます。(UQ mobile/povoは対象外です。)
出典:山小屋Wi-Fi
充電
充電器はコンセントが空いていたら利用してくださいというスタイルです。お金をとらないのは珍しいと思います。充電箇所はひとつにまとまっているわけではないので、空いている個所を見つけて利用する形になります。時間帯によっては埋まっていることもあったので、ハイシーズンは空いていたらすかさず充電がおすすめです。
宿泊料金(2024年8月時点)
一般室は一泊二食付きで14,000円。個室だと最も高い2名ご利用時で19,000円。
最も安い素泊まりで9,500円。
テントは大人2,000円となっています。最新の情報は、双六小屋の宿泊料金をご覧ください。
ハイシーズンの交通状況
お盆時期のハイシーズンに利用したのですが、今後の自分用に記録のために残します。まとめると、以下のようになります。
特急あずさ
指定席がとれるなら、個人的には一番おすすめの方法。8月のお盆前付近で、乗り切れずに立って乗車している人がいた。
濃飛バス
空いていれば比較的安い。キャンセル料も良心的。新穂高温泉発はないが、平湯温泉⇔バスタ新宿まで行く。
毎日あるぺん号
7日前からキャンセル料発生。キャンセル料が結構高め。また、高速バスにしては料金も高めだが、4列シートであれば割と直前まで空いていた。また新穂高温泉⇔新宿間での直通がある。
関東方面からの場合、特急あずさか高速バスで松本か平湯まで行く方法と、新幹線から乗り換えて高山まで行く方法があります。今回は松本経由で往路はあずさで行き、復路は高速バスの濃飛バスを利用しました。
松本から直通で新穂高温泉に行く方法もありますが、直通バスは時間が限られています。そのため多くの時間帯では、平湯で降りて乗り換えるという形を選ぶことになりそうです。松本から平湯までは予約が必要でした。平湯から新穂高温泉は予約なしで大丈夫でした。
松本から平湯までは、上高地を通ることになるため、非常に混んでいました。乗りたいバスの時間には余裕があったはずなのですが、それに間に合わず2本見送ることになりました。平湯から新穂高温泉までのバスは、さほど混んでいませんでした。
帰りは、平湯から新宿まで濃飛バスを予約し、高速バスを利用しましたが、これまた大変道が混んでいました。到着予定時刻よりも2時間くらい後に到着しました。トイレがバス内にないと、人によっては大変かもしれません。
ハイシーズンは時間重視の人であれば、あずさの指定席がとれるなら精神的にも負担が少なくておすすめです。
温泉
新穂高温泉といえば、帰りの温泉も楽しみのひとつ。人間に戻るためにも、下山からバスの時間の余裕をつくり温泉に入って帰ってください。私が候補に挙げていたものを記載しておきます。
中崎山荘 奥飛騨の湯
荷物置き場があり、そこにザックは置いて、脱衣所には持ち込めないようになっています。ホテル穂高よりも空いているかもしれません。
営業時間が普段は9時から18時(受付は17時)ですが、2024年8月時点では、8時半から19時まで(受付は18時)となっていました。昼食はやっていますが、夕食はやっていないそうです。
ほうばステーキ定食とほうば味噌定食がおすすめのようで、ご当地の飛騨牛や郷土料理が楽しめます。定食はごはんのおかわり自由と書かれていた気がします。
そして私は欧風ビーフカレー頼みました。カレー欲には勝てませんでした。
ホテル穂高
日帰り温泉の営業時間は13時から15時と限られますが、ロープウェイ駅に最も近い温泉です。
ひらゆの森(平湯温泉)
平湯温泉でお風呂に入るなら、「ひらゆの森」がよさそうです。入っていないので分からないのですが、スーパー銭湯のような広々とした施設でした。時間があるなら楽しめそうです。
ひがくの湯と登山者食堂
国立公園口が最寄りのバス停となりますが、ひがくの湯という温泉もあります。バスで行くなら国立公園口から乗る場合は、濃飛バスに事前予約が必要です。
登山者食堂がちょっとおかしいんじゃないかというボリュームなので、その点も楽しめます。さらには、スイカやトウモロコシが無料で食べ放題サービスもあります(が、定食が量が多すぎて食べられない)。
双六小屋がソロに向いている理由
北アルプスといえば、以前、白馬岳で体力不足のため、とんでもない時間に山小屋に到着し、迷惑をかけてしまった苦い経験があります。しかし、今回の双六小屋泊は、私の場合は体力的にも精神的にも、一人で大丈夫でした。改めて理由を振り返ってみました。
- 小池新道が歩きやすく、怪我や捻挫がしにくい道だった
- 万一何かあっても、人が通るので助けを呼ぶことができる(ハイシーズンなのもあり)
- 途中に小屋があり、水や食料を入手することもできる
- 大部屋が女子だけの部屋だった
- 他にもソロ客の方が多かった
- カーテンで仕切ることができて、プライベート空間が確保されていた
- 私の体力や経験に見合った山だった
- 登山靴や装備をいつも以上に万全にして登った
もし同じようにソロで行くことを悩まれている方がいたら、まずは体力と経験が見合うことが前提にはなりますが、チャレンジしやすいと思います。
双六小屋のおすすめポイント
双六小屋のおすすめポイントをまとめます。
- 小池新道が歩きやすい
- トイレ、洗面所がきれい
- 部屋が個室感がある
- 双六岳が近く、荷物を置いて歩くことができる
また行きたくなるのも納得の、人気のお宿でした。私の場合は、双六岳からの眺望が絶望的だったので、リベンジしないといけません。次は雲ノ平まで行きたいなあ。