生理でも、登山に行って大丈夫? かぶってしまいそうなときの対処法

登山
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今回は、生理中の登山についてのお話です。

「もうすぐ登山なのに、生理と重なりそう…」「予定通り生理が来ない…」。もしそうなったら、予定をあきらめるべきか、それとも決行するか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実際に生理中に登山に行った経験、事前の対策、当日の対処法、持ち物や服装までをお伝えします。

生理が来そうな時の対策まとめ

最初に私の対策をまとめると、以下となります。

事前の対策

  • ピルで生理の日程を「前倒し」にしておく

突然生理になってしまったら

  • 生理がいつ来てもいいように、ナプキン、タンポン、痛み止めを持っていく

生理中に登山に行くなら

  • 吸水ショーツ、タンポン、ナプキンで乗り切る(個人的には吸水ショーツ+タンポンがおすすめ)
  • 痛み止めを多めにもっていく
  • ニオイが漏れづらいおむつ用のビニール袋を持っていく
  • 服装はタイツがおすすめ。腹巻もよい

生理が来そうなとき、事前にできる対策

まずは生理が来そうなときに事前にできる対策を紹介します。

ピルで生理を「前倒し」にする

前もって行く日が分かっているなら、かぶらないようずらしておくのがスムーズです。その方法として、中容量ピルという選択肢があります。飲み続ける必要はありますが、生理そのものをずらせる有用な方法です。値段は、およそ4,000円から5,000円です。

ただし、副作用として、吐き気や頭痛、不正出血などが起こることもあります。登山中は気圧の影響を受けて、血栓ができるリスクがあるため、登山中の服用は推奨しない医師もいます。また、年齢が40代以上になると処方を避ける医師もいます。

副作用を考えると、日程をずらすのであれば、生理を早める形で服用する方がより安全です。初めてピルを使う場合は、どのような症状が出るか分からないため、登山中に服用するのは避ける方がいいと個人的には考えています。

私の場合、事前に早めることが間に合わず、登山中に飲んだこともあるのですが、うっすらとした気持ち悪さがありました。ただ、吐き気止めもあわせて処方してもらえます。

いずれにせよ、ピルの処方は血が出ていなくても月経の準備ができてしまってからだと間に合わないので、かぶりそうと思ったらとにかく早く相談する方がよいと思います。産婦人科は事前予約が必要だったり待つことが多いのですが、その場合でもあきらめなくて大丈夫です。今はルナルナやスマルナなど、ネットやアプリで相談できるサービスもあります。郵送するにも時間がかかるので、とにかく早めの相談がおすすめです。

膣洗浄(効果は不明だが、すっきりする)

もし生理が来てしまった後の対処法として、膣洗浄があります。要は膣を洗うことで、すっきり爽快、生理が早く終わるよ!という商品です。実際に「生理が早く終わる」と謳う商品もあります。

プチシャワー・セペとか、インクリア、クリーンシャワーなどの商品名で、売られており、薬局で手に入る市販の商品もあります。1,000円以下で購入できるものもあります。

ただ、私の場合、楽になったり、早く終わったりする効果は感じませんでした。効果には個人差があると思います。気になる方は試してもいいかもしれません。

ちなみに重いので、泊まりだからといって登山に持っていくのは、控えたほうがいいです。お風呂場で使うので、使えるとこもないですしね。自宅で生理が終わりかけのときに使うと、すっきりします。

鉄分を摂取する

生理で血液を失うため、貧血になりやすくなる人もいます。貧血になると血液中のヘモグロビンが不足するため、酸素が行き届かず苦しくなります。つまり酸欠状態になるのです。実際に、貧血状態の方を見たことがあるのですが、激しい息切れが起こっていました。数メートル進むだけで、全速力したときのような息切れを感じたとのことでした。鉄分をしっかり取得して備えておきましょう。

同行者に事情を話しておく

生理が来そうなときは、同行者に伝えておくのがおすすめです。途中で体調が悪くなってしまう方が同行者も困ってしまいます。事前に共有しておけば、相手もコースやペース配分を配慮しやすくなります。

当日急に具合が悪くなられるよりは、お互いにずっと良いと思います。

生理が来てしまったときの対処法と持ち物

登山中に生理が来てしまった場合、何を用意すればいいのでしょうか。アイテムの特徴と私がおすすめする持ち物をご紹介します。

おすすめはタンポン

生理中の登山で、最も頼りになると思うのはタンポンです。長時間つけていても、不快感を感じずに歩きやすく、ナプキンに比べて持っていってもかさばらないからです。

タンポンには、アプリケーターというプラスチックの挿入を手助けする種類のものと、指で直接入れるものがありますが、衛生面を考慮すると、アプリケーター付きのものがおすすめです。手洗い場がないことも多いため、ウェットティッシュは必ず持っていきましょう。

アプリケーター付きのものにも種類があります。コンパクトタンポンの場合は、カチッと音がするまで、アプリケーターを伸ばします。コンパクトタンポンでない場合はそのまま利用できます。プラスチックのアプリケーターを持ち、押し込むと膣内に挿入されます。紐がついているので、引っ張ると取り出すことができます。

アプリケーター付きのタンポン。多い日用よりは、レギュラー用のほうが違和感もなく使いやすいと思います。

登山用の「吸水ショーツ」

吸水ショーツも登山にとてもおすすめです。ショーツ自体がナプキンの機能を果たします。ナプキンのように、よれたりカサついたりすることがなく、生理中であることを忘れてしまうほどの快適さです。

ただし、経血量が多い日は吸いきれない可能性があるため、タンポンと併用するのが安心です。ユニクロなど登山専用ではない吸水ショーツがありますが、アウトドア用の吸水ショーツをおすすめします

理由は、汗をかいても速乾性に優れていて冷たく感じにくかったり、ニオイや菌が繁殖しにくいよう、工夫されているためです。

私は今はモンベルとミレーの吸水ショーツを使っています。経血量がひどいときはミレー、終わりかけのときはモンベルで使い分けています。快適に楽しめています。

普通のナプキン

タンポンが怖い方は普通のナプキンを利用する方法もあります。多い日用のナプキンで羽根つきだと安心です。気持ち悪さはありますが、布ナプキンほど冷たい感覚はありません。ただかさばるので、タンポンとセットで使うと漏れもなく安心です。

月経カップ

月経カップも本当に生理を激的に楽にしてくれる商品です。ただし、月経カップだけだと漏れてしまうことがあります。また、定期的に取り出して洗う必要があります。中には取り出せなくなって大変だった人もおり、慣れが必要です。手も確実に汚れてしまいます。登山の場合、慣れていない人がいきなり使うのは、やめたほうがいいと思います。もちろん、使い慣れている方ならいいかもしれません。使う場合には、ナプキンなどとセットで利用するほうが漏れ対策には安全です。

布ナプキン

経血量が多くなく、低山であれば、布ナプキンという選択肢もあります。登山だとゴミを持ち帰ることが多いので、気分的にも持ち帰りがしやすいのはいいですね。ナプキンを使うよりも、こすれた感じはないので、付け心地も悪くないです。

しかし、綿素材が多いので、汗をかいたり蒸れたりします。頻繁に変えることができないなか、ハードな山には向きません。汗をかくと綿なので冷たく感じます。綿の服を着て山に登ると汗冷えするのと同じです。

その他あると便利なアイテム

痛み止め

生理痛のときに備えて痛み止めは常備しておきたいところです。そもそも生理になってなくても、頭痛薬にもなるため、あったほうがよいでしょう。

臭わない袋

ナプキンやタンポンを持ち帰るのに、おむつ用のニオイを抑える袋、おすすめです。普通のビニール袋に比べて、ニオイが圧倒的に抑えられます。ご飯を食べた後の生ごみを入れるのにもいいです。そこまで高くもないので、検討してみても良いと思います。私は犬の散歩にも使っています。

貧血対策の食べ物

レバーやひじき、赤身の魚など、貧血の解消によさそうな食べ物をとりましょう。プルーンをおやつとして持っていってもいいかも。

生理のときの持ち物

生理のときに必要な持ち物
生理のときに必要な持ち物

生理のときの持ち物をまとめました。こちらが私の必須のセットとなります。

  • タンポン
  • ナプキン
  • 痛み止め
  • ウェットティッシュ
  • ゴミ袋

生理のときの服装

基本的に登山の装備は優秀です。普段の登山ウエアは吸水速乾性が高いので生理の不快さも感じにくくさせてくれます。 私はサポートタイツを必ず履くようにしています。ナプキンがかさばって歩きにくいのを防ぐためです。冷えるのは防ぎたいですが、蒸れるのでロングパンツよりもキュロットやスカートを選びます。

  • サポートタイツ
  • キュロットかスカート

最近ではお腹が弱い人におすすめされて、腹巻きを取り入れてみました。メリノウールの腹巻がほんのり温かくておすすめです。

なお、スカートは着替えやトイレに行くときにも便利というメリットがあります。スカートの良さをまとめてみましたのでこちらの記事も参考にしてみてください。

参考記事:「登山・トレッキング用スカートは雨の日にも強い。キュロット・パンツとは違う良さがある

登山中に生理が来てしまった私の体験談

これまで山旅の最中に急に生理が来てしまったのは3回。今でこそ、私は生理であってもよほどひどくなければ数日間の登山でも行きますが、当時はできるだけ避ける方向で考えていました。

特に印象深いのは、那須の茶臼岳に行ったときのことです。「大黒屋」という温泉のある宿に泊まるのを楽しみにしていたのですが、全然生理が来なかったので強行突破したら宿泊した日にちょうど生理が始まってしまいました(泣)。さらに表銀座縦走中に大天井ヒュッテでも、生理が来てしまったこともあります。2025年は八ヶ岳でのテント泊に生理がかぶりましたが、気にせずに行けるくらいまでになりました。

山にはトイレが多くはないので、不安が大きかったです。生理になるとお腹を壊しがちで腹痛が酷いタイプなのですが、途中から痛み止めがなかなか効かなくてかなり辛くなりました。写真を撮る余裕もなく、ひたすら痛い痛いとうめいていました。初回は、タンポン+ナプキンで乗り越えました。

生理痛の症状は人それぞれです。痛みだけではなく、貧血や頭痛、吐き気などが起こることもあります。自分の体調と相談し、普段から生理がきたらどのような症状が来るのか知っておくことが大切です。普段から我慢できる状態じゃなかったら、やめておいたほうがいいかもしれません。

行くべきか、延期すべきか

一人なら計画の停止を自分の判断でできます。しかし、友人や家族と一緒で、せっかく休みを取っていたり、前々から計画していた登山なら躊躇してしまう人もいるでしょう。

私は生理でも行ってしまう派になりました。行くなら、持ち物を必ず忘れずに、心配ばかりせず穏やかに健康的な生活を送って体調を整えてみてください。