秩父のシンボル、武甲山。「一の鳥居」からのピストンルートを利用する人が多いですが、私は今回、公共交通機関を利用して、横瀬駅を起点に浦山口駅を終点とするコースを選びました。
このコースは、メジャーなルートではないため、下山時は他の登山者に出会う機会が少なく、静かな山歩きを楽しむことができます。都心からのアクセス情報から、登山口までの様子、そして下山後の温泉情報をお届けします。
首都圏からのアクセスとコース概要
行きは横瀬駅、帰りは浦山口駅からのアクセス情報です。
往路(池袋→横瀬駅)
往路は、池袋駅から西武鉄道の特急「Laview(ラビュー)」の「ちちぶ号」に乗って、1本で「横瀬駅」まで行くのが早くて快適です。乗車料金とは別に特急券900円が必要となります(2025年10月時点の金額)。ネットで事前に購入し、席を押さえておくと安心です。時間変更もできます。
復路(浦山口駅から)
下山後は、西部秩父前温泉「祭の湯」を経由し、西武特急で帰るのがおすすめです。
- 浦山口駅(秩父鉄道)→御花畑駅下車
- 徒歩すぐで西武秩父鉄道駅へ移動
西武秩父鉄道駅から特急ラビューで帰宅するのが楽です。温泉については後述します。
コース概要
ルート:横瀬駅 → 武甲山山頂 → 浦山口駅(駅から駅へ歩く通過型コース)
特徴:静寂な山歩きを堪能できる。工場地帯のロードから始まり、利用者が少ない裏参道へ下る、対照的な風景を楽しめるロングコースです。
横瀬から浦山口へ⛩️ / tanukichiさんの武甲山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
コースの見どころ
横瀬駅スタート:工場群を通る独特なロード
横瀬駅から登山口の「一の鳥居」までは、約5km、1時間半程度の舗装されたロードを歩きます。工場横を歩くのが嫌な方は、タクシーを使うと短縮できます。

この区間の最も大きな特徴は、武甲山の石灰採掘に関わる巨大なセメント工場群を横目に進むことです。大型トラックが行き交う車道を歩くため、登山というよりは街歩きの延長といった雰囲気で、普段の山歩きとは異なる緊張感があります。ここが私にとっての核心部でした。このロードを歩き切ると、ようやく登山道にたどり着いたという安心感があります。
一の鳥居手前の延命水

ロードの終盤、一の鳥居(登山口)の手前には、湧き水である延命水があります。
表参道と武甲山山頂の状況
いよいよ一の鳥居から山道に入ります。
なお、鳥居に近くには駐車場がありますが、台数は少ないです。鳥居より手前に広めの駐車場がありました。

途中にペットボトルがたくさん置いてあります。この水は、山頂直下のトイレのお水用として、使われています。

運んだペットボトルは、武甲山御嶽神社近くにある、マンホールの給水口に入れます。余裕があればぜひ5リットルを運んであげてください。

石積み場と快適な登山道
登山口からしばらく林道を進むと、石積み場の脇を通り過ぎます。

山頂の様子と昼食場所
武甲山御嶽神社に到着。鳥居をくぐった先に山頂があります。

武甲山山頂(標高1,304m)からの眺望は素晴らしいです。

ただし、山頂付近はスペースが比較的狭いため、落ち着いて休憩したり、ゆっくりとお昼ご飯を食べるのは難しそうです。私は、山頂を少し下ったところにある広めのスペースを見つけ、そこで昼食をとることにしました。
4. 静寂の下山:浦山口駅への裏参道ルート
山頂からの下山ルートとして、登山者が相対的に少ない浦山口駅方面の裏参道ルートを選びました。
人に会わない山道の魅力

このルートは、多くの登山者が利用する一の鳥居からのピストンルートに比べて人が少ないのが特徴です。そのため、終始、静かな山歩きを堪能できました。道は沢沿いを通り、穏やかな雰囲気です。

人に会うことがほとんどありませんでしたが、迂回路や迷いやすいところはピンクテープが大量にありました。安心して下山できます。途中に渡渉もあり、なかなか楽しいです。

下山後、浦山口駅に到着して終了です。浦山口駅には自販機以外特に何もないです。
下山後に立ち寄りたい秩父の温泉
下山後に立ち寄りたい、2つの温泉施設をご紹介します。
1. 西武秩父駅前温泉 祭の湯(私が利用した施設)
| 所在地 | 埼玉県秩父市野坂町1-16-15 |
| アクセス | 西武秩父駅直結。浦山口駅からは秩父鉄道で御花畑駅へ |
| 料金 | 平日: 大人 1,100円 / 子ども 700円 土・日曜日・祝日・特定日: 大人 1,380円 / 子ども 800円 |
| 特徴 | 天然温泉の露天風呂、内湯、サウナ、岩盤浴など種類が豊富。 / 施設内にフードコート、お土産エリアがあり、帰宅前の利用に最適 |
2.秩父湯元 武甲温泉(横瀬駅が近い施設)
| 所在地 | 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬4628-3 |
| アクセス | 西武秩父線 横瀬駅 徒歩約10分。 / 土日には横瀬駅からの無料送迎バスもあり |
| 料金 | 平日: 大人 700円 / 子ども 400円 土・日曜日・祝日: 大人 900円 / 子ども 500円(2歳以下無料) |
| 特徴 | 単純硫黄温泉と炭酸泉が名物。「美肌の湯」として知られる。露天風呂は緑に囲まれた落ち着いた雰囲気 |
最新情報は公式サイトをご確認ください。
まとめ
横瀬駅から浦山口駅の武甲山縦走は、セメント工場群という珍しい核心部(?)と、静かな裏参道という、個性的な要素が詰まったコースです。登山道は歩きやすく山頂の眺望もよかったです。下山後に温泉に寄って帰れるのもいいですね。
駅から駅のルートをお考えの方は面白いかと思います。ただ個人的には、セメント工場群は私は1回行ければもう十分かなと思いました。次回はタクシーかな…。