涸沢(からさわ)カールは登山を始めた頃からの憧れの場所でしたが、とうとう泊まることができました。今回はピークを目指さず、徳沢キャンプ場で前泊し、翌日涸沢を目指すというゆるいプラン。このプランなら初心者やブランクがある人でもいけると思います。場所選び、混雑状況、水・食料事情や電波など、事前に知っておくとよい情報をご紹介します。
ちなみに徳沢キャンプ場は、初めてテント泊した思い出深い場所です。
涸沢カールはどんな場所?
カールとは氷河の浸食によってできた、内側がくりぬかれた窪地のような形状のことを指します。涸沢カールは標高約2,310mにあり、日本最大級のカールといわれています。
上高地から涸沢カールまでは難しい道はほとんどありませんが、上高地からはおよそ15kmあります。初心者は徳沢、小梨平キャンプ場、横尾で前泊すると楽に行くことができます。涸沢ヒュッテや涸沢小屋の2軒の山小屋に泊まることもできますが、山や地形を身近に感じられるテント泊はおすすめです。
最後の雪渓を超えると、楽園がふっと現れます。色とりどりのテント、そびえ立つ奥穂高、涸沢岳、北穂高、大天井岳。有名どころの山がずらり勢ぞろい。何度見ても見慣れない圧倒される景色でした。
YAMAPにも日記では画像多めで紹介しています(情報量は少なめです)。
おすすめの時期は?
夏期にしか行ったことがないのですが、有名なのは秋の紅葉の季節です。この時期がもっとも混雑します。私が行った夏は、テントは300張くらいとのこと。多いと1,000張を超えるそうです。雪もなかったので、初心者が混雑を避けていくなら夏はとてもおすすめです。
涸沢にテント泊に行くなら事前に知っておきたかったことや反省点をまとめました。
場所選び
涸沢カールは、思ったより岩が多いという印象です。選んだ場所が悪かったのかもしれないけど、岩岩でした。
多少山小屋から離れても、石の少ない場所をおすすめします。石をしっかりどけて、地面を整える整地も大事です。
実はグランドシートやテントに穴が空いてしまいました。友達は大丈夫だったので、テント内に荷物を入れたまま動かしたせいかもしれません。みなさまもお気をつけください。
コンパネはないと思ったほうがよいです。午前中に売り切れてしまうそう。12時頃に到着しましたが、すでにありませんでした。連泊の人が手に入れることができるか、撤収中の人に声をかけて譲ってもらうのが現実的な手段かと思います。
そのほかの注意点としては、真夜中トイレに行って、自分のテントを見失い、ずっと探している人がいました。テントをどこに置いたのか、近くに何があったのか、どんな地形だったのか、しっかり覚えておくこと、面倒でもヘッドライトは持っていくことをおすすめします。
水・飲料
私が行った2023年7月は、水場は使えました。水が引いてあるのですが、学校の水道のように、蛇口がいくつかあって、いつでも自由に利用できました。自販機もありました。
2023年9月はつい先日まで、水不足で自動販売機での購入のみになっていた様子。できるだけ持っていったほうがよさそうです。
※2023年夏、涸沢カールでは水不足に陥っていました。2023年9月23日時点で一旦給水制限はなくなったようですが、水不足は解消したわけではないため、その後再び給水制限がある可能性もあります。確認のうえ、行くのが安全です。Facebookで最新情報が出ていました。
ごはん・売店
涸沢ヒュッテ近くのパノラマ売店と涸沢小屋の2箇所で買えます。
涸沢小屋よりも、パノラマ売店のほうが人が多い気がしました。
一報の涸沢小屋。少し歩きますが、やや高い位置にあるので、テントを見下ろす景観はとても良いと思います。
名物はおでんです。おでんは遅い到着だと売り切れてしまうこともあるようです。涸沢小屋、涸沢ヒュッテのいずれにもあります。涸沢小屋には夏期の間、名物の「ジョッキパフェ」があります。7月中旬に行ったのですが、たまたまその日がパフェの販売開始日でした。
営業時間にもご注意ください。パノラマ売店の営業時間は朝6:00-17:00と記載がありましたが、17時よりも前に閉まっていたように記憶しています。涸沢小屋は見ていなかったので分かりませんが、10:00-15:00という情報もありました。季節によって変動があるようです。夕食でガスが足りなくなって買おうとしたら、もうやっていないということがありました。
トイレ
紅葉など混雑時期は出発前に行列もできるそうですが、7月は大丈夫でした。涸沢ヒュッテは朝もほとんど並ぶことなく利用できました。トイレットペーパーはゴミ箱に捨てるタイプです。きれいと聞いていましたが、私は臭いが気になりました。
涸沢小屋の方はトイレが少なかったのですが、テント泊の利用者が少ないせいかもしれません。
電波事情
あまりよくないです。キャリアによってはつながらないかもしれません。
- auは時々つながる
- ソフトバンクはずっとつながらない
- ドコモは不明(つながらなさそうでした)
涸沢小屋でWi-Fiも提供していました。実験的だそうなので、ずっとつながるかは分からないけど利用させてもらいました。
虫対策
意外にも虫が結構いました。真夜中テントから叫び声が。虫がいたせいかもしれません。苦手な人は虫対策を万全にしたほうがよさそうです。
個人的な反省点
個人的な反省点です。
- 涸沢では場所選びを妥協しない。多少遠くてもテント場にいる時間の方が長いで、地面が平たくて大きな石が少ないほうがいい
- 110gだとガス缶が足りなかった。お湯を沸かすだけでなく、ごはんを楽しむときはサイズを考える(前泊、徳沢で楽しみすぎたせいかも)
- ガス使わなくても食べられるものを持っていくこと
- 洗濯物干す紐は連泊だとあると便利
以上、涸沢カールのテント泊でした。景色が何度見ても慣れないほど美しく、時間帯によっても刻々と変化していくので撮影に大忙しでした。ごはんづくりもたっぷり楽しめましたよ。人間、こんな場所で眠れるんだなという気付きにもなりました。
最後に、持っていった服装と装備も記載しておきます。もしものためにと余計なものも持ちすぎました。
服装
- 長袖2枚(1枚は下山用)
- ショートパンツ
- ロングパンツ(下山用だが使わず)
- サポートタイツ
- 靴下2枚(1枚は下山用)
- 下着・アンダーウェア(1枚は下山用)
- キャップ
- サンダル(テン場用)
- ダウン
- フリース
- ネックウォーマー(使わず)
- 手袋(使わず)
- レインウェア
装備
- ガスバーナー
- クッカー(エバニューカップと鍋600Ml)
- ソーラーランタン
- テント
- グランドシート
- シュラフ
- マット
- 枕
- レジャーシート
- 速乾タオル
- ヘッドライト
- 救急セット
- モバイルバッテリー
- チェーンスパイク(あると下山時の残雪に便利)
- 速乾タオル
- 除菌シート
- 水筒
- テーブル
- プラティパス
- 浄水器(使わず)
- カトラリー
- 洗濯物干す紐
- サングラス(雪対策)
- 熊鈴
- 耳栓
- 化粧品類
- 歯ブラシ
- ダイヤル錠(テント用)