私は綿100%の服を着て、山に登ったことがあります。登山では、綿の服を着てはダメというセオリーがあります。当時の私は知りませんでした。結果としては、本当にダメでした。
どのような状態になったのか身をもって体験したので詳しく書きます。またその理由と綿と化学繊維の違いも紹介しておきます。
綿の服を着て登ったときの時期は真夏
最初に当日は以下のような服を着ていました。
時期や天気などのコンディションを記載しておきます。
季節:夏
登った山:大菩薩嶺
当日の天気:曇りのち雨(豪雨になりました)
綿の服を着て登った時期は、真夏でした。降水確率は40%くらいだったと思います。
綿のTシャツを登山で着るとどうなるか
登っているときの状態を詳しくお伝えします。
綿の服の下に肌着として着た、ユニクロのエアリズムは汗は吸っているようでしたが、乾きません。スポーツタイプの体にフィットしたものでした。
その上に着ているTシャツも、胸や脇のあたりが汗で濡れてきました。次第に冷たさを感じてきます。
下山途中で雨が降ってきたのでレインウェアを着ました。なお、ゴアテックス素材ではないレインウェアでした。
途中から急激に体感温度が低くなったのか、寒くなってきました。Tシャツは水に濡らして縛った洗濯物を洗濯機から出したばかりのような状態です。ずっと濡れたままの服を着ている感じでした。服は肌に張り付き、全身に濡れ布巾を当てられているようです。
下山しきると体を動かさなくなったせいか、さらに寒さを感じるように。防寒着はありましたが、何を羽織っても体をまとうものが濡れているので意味がありません。震えながらバスを待ちました。
私の場合、初心者なのに雨の可能性がある中登ってしまったのも失敗でした。あとで思えば低体温症になる恐れがありました。判断力が鈍っていたり、幻覚が見えていたので、すでにおかしかったのかもしれません。
まとめです。
化学繊維と綿の違い
その後、化学繊維の服で登ってみたところ、快適さが違いました。
綿の服と比較してみると、化学繊維でも濡れることは濡れるのですが、すぐ乾くのが大きな違いです。肌に張り付く感じもありません。
着ていると、いつのまにか乾いているので、服の冷たさのせいで寒いと感じることはありませんでした。
インナーの化学繊維にはポリエステルがよく使われています。私の着た服もポリエステル100%でした。綿と異なり、速乾性に優れています。だから水を吸ってもすぐ乾くというわけです。
一方、綿は吸湿性が高いのです。Tシャツが乾くとき、体温を奪いながら水分が蒸発しますが、吸湿性が高いため、ずっと体温を奪い続けていたというわけです。
天然素材にも登山のウェアに使われている素材として、メリノウールがあります。保温性が高く臭いも防ぎます。だから冬で汗をかいても汗冷えしにくいんです。その分、お値段もお高めです。またメリノウールと化繊など、複数の素材が混ざったタイプもあります。
また、UVカット、抗菌、防臭、防虫効果がある商品もあります。化学繊維もしくはメリノウールの服を着ることをおすすめします。
私の今の登山の服装
私は今は以下のような服装が多いです。
- 登山用の肌着(メッシュ地の、軽いタンクトップの形状のもの。ユニクロのエアリズムはあれ以来着ていません)
- 化学繊維のシャツ
- ゴアテックスのレインウェア
- ハーフパンツ
- サポートタイツ
- 寒さ対策用のフリースやダウン(リュックの中)
ユニクロのエアリズムは数年前の経験をもとにしているので、今は改良しているかもしれません。素材はポリエステル、ポリウレタン、キュプラが使われていました。
身近にある使えそうな服
どうしても予算の都合上、厳しい場合は身近に使える服がないか探してみましょう。素材を確認してみてください。
案外、以下のような服で使えることがあります。
- ランニングウェア
- ジャージ
- ポロシャツ
- ユニフォーム
レンタルで借りる方法もあります。最初はレンタルで好みの道具を見つけたり、試してみることをおすすめします。キャンプ場で借りることもできますし、登山道具もレンタル可能です。
「登山用品・道具レンタル比較4社。借りてみてやさしさを実感した初心者向けサービスはこれ」
シャツ選びは、登山の三種の神器である、登山靴、レインウェア、登山用リュック以上に、必要なものなのではないかと思います。
綿の服は着てはいけません。ジーンズも同様です。私のような失敗をしないよう、ご注意ください。