今回、山専ボトルを買い足しました。追加したのは500mlです。サイズ選びやメーカーを迷ったので、その経緯とともにご紹介できればと思います。
山専ボトルとは
山専ボトルとは、通常の魔法瓶の水筒に比べて、高い温度を長く保てる山専用の水筒です。山に持っていくことを考えてつくられています。具体的には以下のような特徴があります。
- グローブをはめたままでも使いやすい
- 高い温度、低い温度が維持できる
- その割に軽量性がある
- 多少落としても大丈夫な頑丈なつくり
バーナーを持っていかない登山や、寒い中で行動する冬山登山に便利です。私は通勤時も持参し、日常使いしています。
サイズ比較
サイズ選びについてです。モンベルのサイズ展開をもとに比較してみます。
350ml | 500ml | 750ml | 900ml | |
保温効力(6時間) | 74℃以上 | 78℃以上 | 80℃以上 | 81℃以上 |
保冷効力(6時間) | 10℃以下 | 8℃以下 | 8℃以下 | 7℃以下 |
重量 | 240g | 265g | 360g | 380g |
サイズ(幅×高さ) | 7×18.5cm | 7×24cm | 7.9×26.3cm | 7.9×30cm |
目安 | カップ麺 | カップ麺+ドリンク1杯 | カップ麺+ドリンク2杯 | カップ麺2杯+ドリンク2杯 |
食事に利用するなら大きいサイズがおすすめ
選び方としては何に利用するのかによって選択が変わります。大きいサイズのほうが、空気に触れる面積が少なく、温度が冷めにくいと言われています。そのため、食事などの利用でできる限り温度を下げたくないなら、500ml以上のサイズがおすすめです。
行動中に飲むなら、500ml以下サイズがおすすめ
個人的には行動中に飲むなら、500mlがおすすめです。ボトルホルダーにも収まるサイズで取り出すのにわざわざザックを降ろさずに済むためです。350mlも持っていますが、冬山で行動中に飲むにはいいものの、それでも少ないと感じることがあります。
よく一緒に登山に行く友人が、750と900mlを持っていますが、ボトルホルダーに入れるのは大きすぎて、サイドポケットにも収まらず、行動中取り出すのはひと苦労でした。
結論として、これから購入する人に私がすすめるなら、500か750mlです。行動中メインか食事のみなら500ml、食事+行動中なら750mlとなります。
サーモスとモンベルどちらがいいの?
よく山専用ボトルで比較されがちなのが、サーモス(THERMOS)の「山専用ボトル」とモンベル(mont-bell)の「アルパインサーモボトル」です。500mlの場合で比較します。
サーモス 山専用ボトル | モンベル アルパインサーモボトル | |
保温効力(6時間) | 77℃以上 | 78℃以上 |
保冷効力(6時間) | 10℃以下 | 8℃以下 |
重量(カバーあり) | 280g | 265g |
サイズ(幅×高さ) | 7×23.5cm | 7×24cm |
希望小売価格 | 6,050円 | 3,850円 |
私はそれぞれサイズ違いで持っています。個人的には価格面からモンベルのほうが最初に買うにはいいのではと思います。しかし、デザイン性、手袋をした状態での使いやすさは、サーモスのほうが好みです。正直なところサーモスのほうが好きです。
温度変化は?
同じサイズの場合、サーモスとモンベルで温度の下がり方はさほど変わりません。メーカー公表数値だとモンベルのほうが優秀そうですが、実際に比較した記事では、サーモスがやや優勢のようでした。しかし、大きくは変わらなさそうです。むしろサイズ選びのほうが影響します。
モンベル「アルパインサーモボトル」の特徴
サイズ展開は350、500、750、900mlの4種類です。アルパインサーモボトルには、アクティブリッドというコップがなくそのまま飲めるタイプがあります。行動中に飲むには大変便利です。いずれも別売りで購入することができます。ただし温度を保つのが優先なら、アクティブではない通常のタイプを選んだ方がよさそうです。
サーモス「山専用ボトル」の特徴
サイズ展開は500、750、900mlの3種類です。なんといっても手袋をした状態での持ちやすさ、開けやすさがサーモスの魅力です。上部にシリコンがあるので、滑りにくいのが優秀です。本体もややマットな質感ですべりにくいように感じます。またサイズが大きくなると、モンベルに比べて高さが抑えられるので若干コンパクトに収まると思います。
ちなみに私は底にある滑り止めのシリコンゴムを取り外しました。軽量化になり、取り出す際に引っかかりません。モンベルも外せます。
なお、ネットで探すと、サーモスの山専用ボトルは安く購入できます。
ボトルホルダーがあると便利
ボトルホルダーはモンベルのものも愛用していますが、重さのある山専ボトルで行動中飲むなら、ヒップベルトに取り付けられるものが便利です。
サイドポケットから取り出すときに手が釣りそうになるのも防げます。ザックをわざわざ下ろす必要がありません。
ただ、750ml以上だとボトルホルダーに収まりません。そのため500ml以下をおすすめしていました。
実は私が使っているのはボトルホルダーとして売られているものではなく、ポーチを利用しています。
ペットボトルと山専ボトルで幅が違うものを入れ替える場合も、これならサイズを調整する必要がないので本当に便利です。つける位置もチェストストラップ部分と、ヒップベルト付近で変更できます。
ボトルホルダーならこちらが人気
他にもある選択肢「チタン製」と「ニトリ」
最後に、これから来そうな話題のボトルをご紹介します。
軽さ優先ならチタンボトルという選択肢
軽さ優先なら、サーモスのチタンボトルという選択肢もあります。通常、ステンレス製なのですが、チタン製です。500mlで210g。軽くて思わず変な声出ました。たかが数十グラムと思うかもしれませんが、体感的にはかなり違いました。しかしお値段見てそっと戻しました。14,300円。しかし一時期ネットではこれよりもさらに高い価格で売られていたと聞きますので、人気のようです。
その後買いました。やはり軽さにはあらがえず…。なんですが山小屋の階段の一番上から落としたりしましたが、無事で傷一つついていません。やはり手触り、色、形がかっこいい。
その後、モンベルからチタンボトル出ました!
お値段も、サーモスに比べてだいぶ頑張ってくれています。
「チタン アルパインサーモボトル」(クリックで公式サイトへ)というようです。アマゾンや楽天などサイトによっては値段が公式より高かったので、送料含めても公式の方が今は安く買えるかもしれません。
軽くてとてもよさそうです。保温機能は落ちる、そして値段は上がるので、何を重視するかですね。UL派の人にはいいのではないかと。
さらに、安くて軽いチタンのボトルが出ました。ゼインアーツの「ダブルウォールボトル500」2,970円です(2024年8月時点)。ゼインアーツではダブルウォールの軽量で格安なテントでも話題を呼びました。しかし、2024年8月下旬頃発売なのに既に売り切れってどういうこと?
飲み口にカップがついていないので開け閉めする場合は冷めやすい気はしますが、手に入るなら試しに買ってみるのはアリかと思います。
値段重視派ならニトリという選択肢も
真空断熱 超保温・保冷ボトル(N-HEATEX)という商品がニトリから出ておりまして、これがモンベルよりも安いのです。「お、ねだん以上」のニトリだけありますね。ただ重さは500mlで380gと100g以上重く、サイズも幅7.8×高さ24.5cmとかさばります。しかしとにかく値段重視なら、アリなのではないでしょうか。新たなスタンダードになる日もあるかもしれません。入手もしやすそうです。
真空断熱 超保温・保冷ボトル(N-HEATEX 500mL)