2021年の夏、私は白馬岳に行きました。その記憶にあるのは自分の体力のなさです。当時の私はコースタイムの半分のペースで歩くのが精いっぱい。足を前に出そうにも、呼吸が苦しくて数メートル進んでは止まるというのを繰り返していました。
しかし今ではコースタイムの1.5倍くらいのペースで歩くことができるようになりました。一番の要因は日常生活にランニングを取り入れたことだと考えていますが、なぜ変わったのかを自分なりに考察してみました。
数値で見る変化
このままでは行きたい山に行けないと一年発起し、2022年春頃から本格的にトレーニングを開始。およそ数ヶ月で私の数値は驚くほど変わりました。
| 時期 | 平均ペース |
| 2021年 | 50%~70% |
| 2022年 | 110%~130% |
| 2023年以降 | 150%~170% |
数値以上に変わったのが、登っている最中の感覚です。以前は急登になると、呼吸が苦しくて足が止まってしまいましたが、今は苦しさがあまりなく進む余裕が生まれました。
なぜ「ランニング」が登山に効いたのか
登山の筋力は山で鍛えるのが一番ですが、特に「呼吸」に関してはランニングが圧倒的な効果を発揮したと感じています。
全身の持久力の向上
ランニングは登山よりも高い心拍数で動き続けるため、酸素を取り込む能力(VO2 max)が底上げされます。さらに重要なのは、「ややきつい」と感じる限界の強度(無酸素性作業閾値)が高まることです。これにより、登山の負荷が相対的に軽く感じられ、より速いペースを長く維持できるようになるといわれています。
心臓のポンプ機能の強化
継続的なトレーニングにより心臓が強化され、一度の拍動で送り出す血液量(一回拍出量)が増えるといわれています。これにより、少ない心拍数でも効率よく全身に血液を循環させられる「燃費の良い体」になります。
筋肉の疲労耐性と酸素運搬力の向上
毛細血管の発達により、筋肉の隅々まで酸素が届くようになります。加えて、脚の筋肉そのものの「筋持久力」が高まることで、登山の後半でも「筋肉が疲れて足が止まる」ことを防ぎ、最後まで粘り強く歩き続ける力が養われるようです。
たぬ吉調べ(参照)
- 有酸素性エネルギー代謝(厚生労働省:健康づくりサポートネット)
- 飛躍的進歩につながるランニングの指標(ナイキ)
- 2つの閾値
- The Science and Physiology of Endurance Training: Everything You Need to Know
私がやったトレーニング内容
ランニング(週2〜3回)
最初は週1回、2km走るのがやっとでしたが、徐々に回数と距離を伸ばしました。現在はランニングを週に2回以上を習慣とし、「10kmをキロ6分半程度」で走ることにしています。
登山(月2回程度)
「山の筋肉は山でしかつかない」という実感があったため、月に2回程度は山へ行きました。ランで鍛えた心肺機能を試すのと、実際の登りで筋力を養いました。
ジムでの筋トレ(時々)
有酸素運動だけでなく、時々ジムで筋肉を刺激しました。体幹や上半身を中心に鍛えました。
最初は軽い有酸素運動から始めるのがおすすめ
おすすめの方法は、会話ができる程度の低強度の有酸素運動を取り入れることです。最初は数ヶ月、軽めの運動を続けることから習慣づけていくと良いといわれています。この方法のメリットは体力づくりはもちろんですが、登山よりもお金がかからないことです。お金をかけずに日常で体を鍛えて、週末は登山に行って無理なく楽しめると、行ける範囲が増えていくと思います。
まだまだ初心者から中級者レベルの私ではありますが、「楽に登れる感覚」ではだいぶ実感があったので記録として残しておきます。
