登山初心者向きの季節はいつ?

登山に適した季節とは ハイキング

日本には四季があり、それぞれのシーズンごとに咲く花や景色が異なるため、同じ山でも何度も楽しむことができます。登山は山を選べば一年中登ることが可能です。しかし、登山初心者には時期によって登るのに適さない山があるので注意が必要です。逆にいえば、季節ごとに選ぶ山を変えることで楽しみが広がります。

具体的に季節ごとの山の魅力と初心者が選びたい山、服装例を紹介します。

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春(3月から5月)

春の景色

春の天候

低気圧と高気圧が交互に西から東へ通過します。そのため気温の変動が大きく、天気は数日の周期で変わります。

登る予定の山の天気予報や気温の確認は直前にも再度行うと安心です。

2,000mを超えるような山は、5月末でも雪が残っていることがあります。初心者は雪が残る山は避けたほうが無難です。

春の景色

ワラビ、ゼンマイなどの山菜が採れる時期でもあり、さまざま植物が咲き始め、目にも鮮やかな草花を楽しめるタイミングです。少しずつ緑も増えていきます。

また春は花粉症の時期でもあります。山にはさまざまな花粉が飛んでいますので、花粉症の方は事前に薬を飲むなど対策しておいてください。

春の服装

この時期はまだかなり冷えます。朝と昼の温度差も大きいです。防寒着をしっかりもっていく必要があります。脱ぎ着しやすいように重ね着して登山に望むようにしたいところです。

服装例
  • 長袖パンツ
  • 長袖シャツ(ベースレイヤー)
  • フリースもしくはダウンなどの防寒着(ミドルレイヤー)
  • レインウェア(アウターレイヤー)
  • 帽子

夏(6月から8月)

夏の景色

夏の天候

7月中旬までは梅雨の時期となります。初心者は雨の登山は避けたほうが安全です。

7月下旬には、梅雨が明け太平洋高気圧に覆われるようになり、気温が高く日照時間が増えます。まさに登山の適齢期といえます。

「萩原編集長の山塾」(山と渓谷社)によれば、「日本アルプスの主要な山は7月下旬から9月下旬までがベストシーズン。それ以外は雪に対する備えが必要」とのこと。

つまり、初心者で標高の高い山に登るなら、夏がチャンスです。

富士山の山開きも、例年、7月上旬から9月上旬までが登山シーズンとなるようです。

※ただし2020年は富士山は夏季に開山しないことが決定しています。

参照:5合目から頂上までの登山道開通期間

しかし、熱中症には注意しなければなりません。特に低山で遮るものがない山はかなり過酷です。登れなくはないですが、辛いので避けたほうがいいと思います。

そのため、初心者はロープウェイなどを使って、一気に標高が上げられる山がおすすめです。山小屋に泊まるなど、少し視野を広げチャレンジする機会を設けるのはいかがでしょう。

夏の景色

山が青々として緑に覆われます。こんもりと茂った緑に覆われているせいか一歩足を踏み入れると、信じられないくらい静かなことも。森林限界を超えると、視界が広がり、メリハリの効いた景色が楽しめます。

夏の服装

夏は動きやすいハーフパンツとサポートタイツの組み合わせがおすすめです。夏とはいえ、標高が高くなるほど温度が下がるため、少なくともアウターは必要です。標高の高い山の場合はミドルウェアも持っていきましょう。

服装例
  • ハーフパンツ
  • サポートタイツ
  • 半袖・長袖シャツ(ベースレイヤー)
  • レインウェア(アウターレイヤー)
  • 帽子

秋(9月から11月)

秋の景色

秋の天候

高気圧と低気圧が交互に通過しますので、天気は変わりやすくなります。9月から10月にかけては、台風が来る可能性もあり、秋雨前線により降水量も増えます。

台風の後には被害により道が通行止めになることや、普段通れていた道が歩けなくなっていることもあります。直前、直後は避けるのがベターです。登る山の情報をよく確認してコースを考えるようにしましょう。

秋の景色

次第に緑が変化し始めます。茂っていた葉はひと回り小さくなり、染めたような赤や黄色が混ざり始めます。標高が高い山ほど紅葉も早く終わるので、見頃を確認していきましょう。

秋の服装

秋は防寒着が必要な時期です。アウター以外に、ミドルレイヤーをもっていきましょう。

服装例
  • 長袖パンツ
  • 長袖シャツ(ベースレイヤー)
  • フリースもしくはダウンなどの防寒着(ミドルレイヤー)
  • レインウェア(アウターレイヤー)
  • 帽子

冬(12月から2月)

冬の景色

冬の天候

西高東低の冬型の気圧配置となり、大陸からの寒気が流れ込みます。この季節には、長野県北部や群馬県北部などの山岳部や山間部では、日本海から流れ込む雪雲の影響を受け、雪の降る日が多くなります。一方で、乾いた風が吹き降りる平野部では晴れの日が多くなるといった地形の特徴がみられます。

麓が晴れているからといって、山も晴れているとは限りません。冬用の装備が必ず必要です。一部の低山では、冬でも雪が積もらないことがありますので、初心者でも登ることができる場合があります。ただし軽アイゼンは持っていくことをおすすめします。

冬の景色

木に花が咲いたように見える霧氷や樹木などが雪に覆われたスノーモンスターなど、冬ならではの景色が楽しめます。

空気が澄んでいるので、晴れていれば遠くまで見通せます。

冬の服装

冬は雪が降っているときは日焼け対策に注意です。サングラスやゴーグルがあると安心です。帽子はニット帽で耳までしっかり覆い、ゲイターで雪が靴の中に入るのを防ぎましょう。

服装例
  • 長袖パンツ
  • 長袖シャツ(ベースレイヤー)
  • ダウンなどのしっかりとした防寒着(ミドルレイヤー)
  • レインウェア(アウターレイヤー)
  • ゲイター(スパッツ)
  • ニット帽
  • 手袋(グローブ)
  • サングラス・ゴーグル
  • ネックウォーマー

初心者が登るべき時期はいつ?

どの季節も魅力がありますが、日照時間の長さや標高の高い山へも登りやすいことから、初心者には夏が一番おすすめです。

春と冬は積雪の恐れがあります。雪山に登る場合は、しっかりとした装備が必要になるので、初心者は避けたほうが無難です。冬に登るなら初心者は雪山の恐れの低い低山に登ってみてはいかがでしょうか。

逆に夏は日陰の少ない低山を避け、ロープウェイなどで行ける標高が高い山にチャレンジしてみては。

秋は台風の時期を避けつつ、防寒対策を万全にして登りましょう。

基本的に、雪山と雨天時、風の強い日は避けて登ることをおすすめします。

人気の時期は、山小屋や周辺の宿、公共交通機関も混みますので、時間には余裕を持っていきたいところ。近くで前泊すると安心です。

山の選び方

木曽駒ケ岳
木曽駒ケ岳

なお、山の選び方は山のグレーディングといわれる体力と技術の難易度を参考に選びます

体力度のグレーディングは10段階、技術的難易度はA~Eの5段階があります。

技術的難易度登山道の状況登山者に求められる技術・能力
A概ね整備済転んだ場合でも転落・滑落の可能性は低い。道迷いの心配は少ない。登山の装備が必要
B沢、崖、場所により雪渓などを通過急な登下降がある。道が分かりにくい所がある。転んだ場合の転落・滑落事故につながる場所がある。登山経験が必要地図読み能力があることが望ましい。
Cハシゴ・くさり場、また、場所により雪渓や渡渉箇所がある。ミスをすると転落・滑落などの事故になる場所がある。ルート上に案内標識が不十分な箇所も含まれる。地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要
D厳しい岩稜や不安定なガレ場、ハシゴ・くさり場、藪漕ぎを必要とする箇所、場所により雪渓や渡渉箇所がある。手を使う急な登下降がある。ハシゴ・くさり場や案内標識などの人工的な補助は限定的で、転落・滑落の危険箇所が多い。地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要ルートファインディングの技術が必要
E緊張を強いられる厳しい岩稜の登下降が続き、転落・滑落の危険箇所が連続する。深い藪漕ぎを必要とする箇所が連続する場合がある。地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要ルートファインディングの技術、高度な判断力が必要登山者によってはロープを使わないと危険な場所もある。

エリア別や、百名山などの著名な山では、これらのグレーディングが公開されています。初心者の方の場合、技術はBまで、体力は高くても3までを上限に考えてみてください。

標高が高くても、初心者が登れる山もあります。たとえば那須の茶臼岳や、木曽駒ヶ岳の千畳敷カールのルートなどは初心者や体力、技術がそこまでなくても登りやすい山でした。詳しくは山のグレーディング表をご覧ください。