登山の何が面白い? 運動音痴の私が、登山にハマる理由

涸沢カール 登山
涸沢カール
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私は2014年頃から山に登り始め、ここ数年でどっぷりハマりました。始めた頃の記憶は曖昧なのですが、およそ10年ほど続けていることになります。

私は体力がなく、運動音痴です。車の運転も(スキル上)できません。普段はデスクワークで、家と会社の往復しかしません。そんな私がなぜ登山にハマったのか、自分でも不思議に思います。周囲の登山仲間の話ももとに、なぜ登山にハマるのか、その理由を掘り下げてみたいと思います。

私が考える登山にハマる理由

私が考える登山にハマる理由は、全部で7つあります。

挨拶する

登山では、すれ違う人と「こんにちはー」と挨拶をします。他にも、道を譲るとき「お先にどうぞ」「ありがとうございます」など、すれ違う人と軽く会話を交わすことがあります。

おおよそ1メートルくらいの距離のタイミングで挨拶をします。相手から声をかけてくれることもありますし、私から挨拶することもあります。ほぼ100%返事が返ってきます。ご近所さんとも会話を交わすことがなくなった今日この頃、挨拶を誰かと交わすことは気持ちのいいものです。

なぜ、登山で挨拶をするのかというと、万一遭難したり、滑落したときの目撃情報にもつながるからというのが、理由のひとつにあるようです。確かに、何か会話を交わした人のほうが、記憶に残りやすいですよね。

挨拶をすることに、こんなに感動する自分がいたことにも驚きます。挨拶をひとつひとつ重ねるたび、「ああ山に来たな」「山の人だな」と安心するのです。

景色にびっくりする

もともと、絶景に興味はないほうでした。紅葉見に行く人にはなぜだろうと疑問を持っていたほどです。写真もあまり撮りません。しかし、登山の場合はきれいな景色だけではなく、「なんだこれは」と驚く光景に遭遇することがあります。

一例を挙げてみます。

  • 変な形状の植物
  • 巨大すぎる岩
  • 謎の洞穴
  • トトロ感のあるトンネル
  • 天狗が座る(らしい)木
  • 木が生えない登山道
  • 突如ルート外へと誘い込もうとする階段
  • 多すぎる狛犬
  • クマ注意の看板と鐘

面白いですよね。もしかしてここは、別の世界なのかなと思うことがあるのです。友人は登山をする理由のほぼ9割が「絶景を見るため」と言っていました。どのような景色が好きなのかは人によるのだと思いますが、日常からかけ離れた景色を拝めることは間違いありません。

下記の写真は鎌倉アルプスに行ったときのものです。何の説明もなく、突如現れました。大きな岩と模様が。

鎌倉登山で見かけた謎の模様
鎌倉登山で見かけた謎の模様
双六岳に向かう天空の滑走路
双六岳に向かう天空の滑走路

登山道ではときどきこういうものに遭遇します。私はこの「なんだこれは」が恋しくて、時折登山に行きたくなる気がしています。

ごはんがうまい

登山の楽しみのひとつは山ごはん。お弁当も普段よりおいしく感じます。陣馬山や高尾山、御岳山のように、茶屋でごはんが食べられる山でいただくのもいいですね。できるなら自分で調理器具を持っていき、その場で温かい食事をいただくのが一番おすすめです。

塔ノ岳でつくった焼きそば
塔ノ岳でつくった焼きそば

持ち物は登山用ガスバーナー(ストーブ)と、鍋、お水、それにラーメンだけで大丈夫です。そして水筒に煮卵とチャーシューを押し込んで持っていきます。食事をつくって食べるだけで気がついたら2時間経過していたこともあります。お米を炊くのもおすすめです。つくる過程が楽しいだけではありません。登山でカロリー消費するので、食べても罪悪感がありません。

鮭と枝豆ときのこの炊き込みご飯
鮭と枝豆ときのこの炊き込みご飯


雑念がなくなる

森林浴が私はとても好きです。夏の木々がもうもうと生い茂ったなか、小川のせせらぎを耳にしながら進んでいきます。土をしっかりと踏みしめる感触、木の根の張り巡らされた地面、ふと見上げると自分の何十倍の大きさの木が当たり前のようにそこかしこに立っている。何百年も前から、ずっとここにいた木なんだろうなあと思うと、いろんなことがどうでもよくなります。自然によってつくられたあり得ない景色の中で、一歩一歩足を運ぶことに集中することで、雑念が消えていきとてもリラックスしている自分に気が付くのです。

八ヶ岳
八ヶ岳


何かを成し遂げる気持ちのよさ

木曽駒ケ岳
木曽駒ケ岳の頂上付近(筆者撮影)

登山には、ゴールが確実にあります。登頂することで、何かを成し遂げた対象がまたひとつ増えて、途方もない気持ちよさを味わうことができます。いままで登った山のリストを眺めて、にやにやしたりします。

不便さがいい

登山で会社を休むとき、「電波通じない」と言ってます。携帯を見なければいいのですが、心配性な私はつい見てしまうので、電波が通じないとあえて言います。そして実際に機内モードにして、下山するまで連絡を絶つことで、仕事から一定時間開放されています。

趣味って言える

今までの私の趣味といえば「小説を読む」。さすがに地味だなと思い、何かに見栄を張って「音楽フェスに行くことですかね」などと、言ってました。まあ、最近音楽フェスの熱も薄れ、実際行ってないなと後ろ暗い思いをしていました。

登山を始めてからは、会社で部署異動をして自己紹介をする際や、休日何をしているのか聞かれたときに、堂々と登山が好きですと言えるようになりました。

すると、登山好きやキャンプ好きが妙に親近感を持って接してくれるようになり、違う幅での友人の広がりがありました。たまにガチ勢にも出会うので、その話を聞くのも面白いですね。

以上、私が登山にハマった理由を紹介しました。振り返ってみると、結構ストレス抱えていたのかな。登山に行って帰ってくるとああ疲れたと思うのに、また恋しくなりどうしても息抜きしたくなる私がいます。登山にはデトックス効果と中毒性があるようです。